自社メディアの記事数が増えすぎて、どの記事からどこに内部リンクを貼ればいいのかわからず、更新のたびに手が止まってしまうことはありませんか。
なんとなく関連記事同士をつなげているだけでは、検索エンジンからもユーザーからも「構造が分かりにくいサイト」になりやすいです。
ここでは、内部リンクをクラスター構造で整理しながら、実務で使える設計と作り方の手順を解説します。
・内部リンクとクラスター構造の基本と役割
・クラスター型内部リンク設計の考え方と判断基準
・具体的なクラスター設計とリンク作成のステップ
・ありがちな失敗パターンと改善チェックポイント
内部リンク設計とクラスター戦略の基本
内部リンクを戦略的に設計すると、サイト全体のテーマが整理され、検索エンジンにもユーザーにも意図が伝わりやすくなります。
ここではまず、内部リンク設計の結論と全体像、用語、判断基準と注意点を整理します。
内部リンク設計の結論と全体像
内部リンク設計の結論は、1テーマにつき1本のハブページを決め、そこから周辺の記事へ体系的にリンクするクラスター構造に整えることです。
ハブページはそのテーマの概要や目次的な役割を持ち、そこから個別の詳細記事へリンクを貼り、詳細記事からハブページへも戻るリンクを設定します。
この「ハブ↔詳細」の往復動線に、関連記事同士の横リンクを必要な範囲で加えると、サイト内の情報が自然にまとまりやすくなります。
実務の現場では、記事が増えるたびに思いつきでリンクを足していき、後から全体像が把握できなくなるケースがよくあります。
最初にクラスター単位で「このテーマはこのページを軸にする」と決めておくと、後から記事を追加する際も迷いにくくなります。
内部リンクとクラスター構造の基本用語
内部リンクとは、同一ドメイン内のページ同士をつなぐリンクのことです。
外部リンクと違い、自分でコントロールできるため、サイト構造や導線設計に大きな影響を与えます。
クラスター構造とは、1つのテーマを中心にハブページと複数の詳細ページをまとめた「かたまり」でサイトを整理する考え方です。
例えば「内部リンク」のクラスターであれば、ハブページを「内部リンク 完全ガイド」とし、詳細ページとして「アンカーテキストの付け方」「クローラビリティを高める設計」「CMS別の内部リンク設定方法」などをぶら下げます。
会議での会話に例えると、
担当者A「内部リンクの記事、増えてきましたよね。」
上司B「じゃあ『内部リンクまとめページ』を軸にして、そこから必要な記事へ飛ばせるように整理しよう。」
というイメージでクラスターを組むと、議論もしやすくなります。
検索エンジンが内部リンクを見るポイント
検索エンジンは、リンクをたどってページを発見し、アンカーテキストから内容を推測し、リンク構造からサイト内での位置づけを把握します。
Google は、リンクをクロール可能にし、内容が分かるアンカーテキストを用いることで、ユーザーと検索エンジンの両方がサイトを理解しやすくなると説明しています(出典:Google 検索セントラル公式サイト)。(Google for Developers)
内部リンク設計の判断基準として、次の3点を意識すると整理しやすくなります。
1つ目は「どのページをそのテーマの代表にするか」です。
代表ページがないままリンクを貼ると、検索エンジンから見て「どのページが中心なのか」があいまいになります。
2つ目は「アンカーテキストが内容を具体的に説明しているか」です。
「こちら」「詳しくはこちら」などの曖昧な言葉だけでは、ユーザーにも検索エンジンにも情報が伝わりにくくなります。
3つ目は「クローラーがすべての重要ページにたどり着けるか」という観点です。
Bing のガイドラインでも、クロール可能な内部リンクを通じてサイト内のページ同士をつなぐ重要性が示されています(出典:Bing Webmaster Tools 公式サイト)。(bing.com)
クラスター構造を導入するメリットと限界
クラスター構造を導入するメリットとして、次のような点が挙げられます。
- テーマごとにページが整理され、ユーザーが迷いにくくなる
- 関連ページへの導線が増え、回遊性が高まりやすい
- どのページがどのテーマに属しているかが明確になり、コンテンツの抜け漏れに気づきやすい
一方で、クラスター構造にも限界があります。
サイトの規模やジャンルによっては、1ページが複数クラスターにまたがることもあり、きれいに分類しきれないケースもあります。
また、クラスター設計だけで検索順位が大きく上がるわけではなく、コンテンツ品質や外部要因の影響も大きいため、あまり過度な期待を持たないことも大切です。
Google は、サイト内リンク構造がユーザーのナビゲーションとクロールのしやすさの両方に関わる重要な要素だと繰り返し説明しています(出典:Google 検索セントラル公式サイト)。(Google for Developers)
国内のSEO企業の解説でも、内部リンク構造の最適化はクローラビリティとユーザー体験の向上に寄与する施策として扱われています(出典:国内SEOコンサル企業公式サイト)。
クラスター構造はあくまでも全体を整理するための「地図」と捉え、コンテンツ制作やUX改善と組み合わせて活用することが重要です。
内部リンククラスターの具体的な作り方
ここからは、実際にクラスター型で内部リンクを設計し、サイトに反映していく具体的な手順を説明します。
準備段階で確認しておきたい前提条件、クラスターの作り方、つまずきやすいポイントと再発防止策まで順に見ていきます。
クラスター設計前に確認しておきたい前提条件
クラスター設計に入る前に、最低限次の前提を整理しておくと、後の手戻りを減らせます。
- サイトの主要な事業・サービスカテゴリ
- すでに公開されている記事の一覧
- 今後増やしたいテーマやキーワードの方針
- 利用しているCMSやテンプレートの制約
実務では、これらを確認しないまま個別記事ごとにリンクを足してしまい、後から「このテーマの中心ページが無い」「似たようなページがバラバラに存在する」といった問題が生じるケースが多いです。
判断基準として、「ユーザーが知りたいことを大きく3〜5個に分けたときに、その1つひとつをハブページにできるか」をチェックポイントにすると、クラスターの粒度を決めやすくなります。
たとえば「SEO対策」という大きなテーマであれば、「内部対策」「コンテンツ制作」「テクニカルSEO」「外部リンク」などをクラスター候補として整理していくイメージです。
内部リンククラスターの作り方ステップ
クラスター型内部リンク設計のおおまかなステップは次のとおりです。
- 既存記事をテーマごとに分類する
- 各テーマで代表となるハブページ候補を選ぶ
- ハブページからリンクすべき詳細記事のリストを作る
- 詳細記事側からハブページへの戻りリンクを設置する
- 詳細記事同士で必要な範囲で横リンクを設置する
- クローラーとユーザーの両方の動線を想定して調整する
例えば、社内打ち合わせで次のような会話が交わされるケースがあります。
担当者A「内部リンクの記事が10本くらいあるので、まず内部リンクの総まとめページを作ります。」
上司B「そのまとめページから、クローラー向け、UX向け、CMS設定向けなど、用途別の記事にリンクしておいて。」
このように、最初にハブページを作り、そこからどの詳細記事へリンクするかを一覧化することで、クラスター内の役割分担がはっきりします。
そのうえで、アンカーテキストが内容を簡潔かつ具体的に表すように調整すると、ユーザーにも検索エンジンにも意図が伝わりやすくなります(出典:Google 検索セントラル公式サイト)。(Google for Developers)
CMS別にありがちなつまずきと対処法
内部リンククラスターを実装する場面では、CMSの仕様やテンプレートが原因でつまずくこともあります。
代表的な症状と原因、対処法を2パターン以上挙げておきます。
【症状1】関連記事ウィジェットが自動で大量に挿入され、意図したクラスター構造が崩れる
原因:タグやカテゴリをもとに自動で関連記事を出す機能が、クラスター設計と別のロジックで動いている
対処:
- 自動関連記事の表示ルールを見直し、クラスター単位・カテゴリ単位などに揃える
- 必要であれば関連記事ウィジェットを減らし、本文中の手動リンクを優先する
【症状2】グローバルナビやフッターに多くのリンクが並び、クラスターの重要度が伝わりにくい
原因:すべての主要ページをナビゲーションに載せようとしてしまい、リンクの重要度に差がつかなくなっている
対処:
- グローバルナビには上位カテゴリだけを載せ、クラスター内の詳細ページはハブページから誘導する
- フッターリンクは「会社情報」「サポート」など、目的が明確なものに絞る
【症状3】タグページや検索結果ページにリンクが集中し、個別記事への導線が弱くなる
原因:設計方針が決まらないままタグを増やし、タグページに頼った導線になっている
対処:
- タグの整理と削減を行い、クラスターのハブページを経由して個別記事へ誘導する
- 不要なタグページへのリンクを減らし、ハブページと詳細記事の関係を優先する
このようにつまずきやすいポイントは、「自動機能に任せすぎて、クラスター設計とズレてしまうこと」に集約されることが多いです。
自動機能は補助として使い、重要なクラスター内のリンクは意図を持って手動で設計することが重要です。
失敗しやすい内部リンク設計パターンと再発防止策
内部リンク設計でよくある失敗パターンとしては、次のようなものがあります。
- すべての記事からすべての記事へリンクしようとして、リンク過多のページが生まれる
- ハブページが複数存在し、どれが代表なのか分からなくなる
- 新しい記事を追加する際に、既存クラスターへの組み込みを忘れる
これらの失敗を避けるための再発防止策として、次のような運用ルールを決めておくと効果的です。
- 1クラスターにつきハブページは原則1つにする
- 1ページあたりの内部リンク数の目安を決め、意味の薄いリンクは追加しない
- 新規記事作成時に「どのクラスターに属するか」を必ず決めてから公開する
- 月に1回などの頻度で、主要クラスターだけでも内部リンクを棚卸しする
Google は、1ページあたりのリンク数について「理想的な値はない」としつつ、リンクが多すぎると感じる場合は実際に多すぎる可能性が高いと述べています(出典:Google 検索セントラル公式サイト)。(Google for Developers)
実務の現場では、担当者が変わったタイミングでクラスター設計が意識されなくなり、徐々に構造が崩れていくケースも多く見られます。
運用ルールとしてチェックリストを共有し、「公開前にクラスターとリンクを確認する」ことをフローに組み込むと、再発を防ぎやすくなります。
内部リンク設計を改善し続けるためのポイント
クラスターを一度作って終わりにするのではなく、運用しながら改善を重ねることで内部リンク設計は強くなっていきます。
ここでは、日々の運用で意識したいチェックポイントと、よくある質問、まとめを整理します。
内部リンク設計を改善するためのチェックリスト
内部リンク設計の改善に役立つチェックポイントを、運用で使いやすい形で挙げておきます。
- 重要キーワードごとにハブページが1つ決まっているか
- ハブページから主要な詳細記事へリンクされているか
- 詳細記事からハブページへ戻るリンクがあるか
- 主要な詳細記事同士が、必要な範囲で横リンクされているか
- クローラーから見て、孤立したページが残っていないか
- アンカーテキストが具体的で、内容を説明しているか
- ナビゲーションやフッターで、重要度の低いリンクが増えすぎていないか
- 新規記事を公開したときに、既存クラスターのどこに組み込んだか記録しているか
多くの場合、これらのチェックを月次や四半期単位で行うことで、内部リンクの偏りや漏れに早めに気づくことができます。
内部リンク設計とクラスターの作り方に関するよくある質問
Q1. 1ページからの内部リンクは何本までが適切ですか。
A. 公開されているガイドラインでは、理想的なリンク数は決まっていません。
ただし、ユーザーがスクロールしてもリンクだらけに感じるようであれば、多すぎる可能性があります。
まずは「ユーザーが読みやすい量かどうか」を基準にし、類似度の高いリンクはまとめて整理するのが現実的です(出典:Google 検索セントラル公式サイト)。(Google for Developers)
Q2. クラスターに属さない記事は作ってはいけませんか。
A. ニュースリリースや会社情報など、クラスターに属さない記事があっても問題ありません。
ただし、コンテンツマーケティングやSEOを主目的とした記事は、できるだけどこかのクラスターに属するよう設計したほうが、サイト全体のテーマが伝わりやすくなります。
Q3. ハブページは必ず1本にしないといけませんか。
A. 大きなテーマの場合、段階的にハブページを分けることもあります。
例えば「マーケティング」の上位ハブページの下に、「SEO」「広告」「SNS」など中カテゴリのハブページを置くイメージです。
ただし、同じ階層に意味の似たハブページが並ぶと分かりにくくなるため、役割の違いを明確にしておくことが大切です。
Q4. 自動内部リンクプラグインだけでも効果はありますか。
A. 自動プラグインは補助として有効ですが、テーマやクラスターを理解したうえで設計されたものではありません。
まずは重要クラスターだけでも手動でリンクを整理し、そのうえで不足を補う用途で自動機能を使うほうが、意図した構造に近づきやすくなります。
内部リンク設計とクラスターの作り方のまとめ
・重要なテーマごとにハブページを決めてクラスター化する
・ハブページから詳細記事へ往復できる内部リンクを設計する
・アンカーテキストは内容が分かる具体的な表現にする
・クローラーが重要ページにたどり着ける動線を優先する
・クラスター単位でコンテンツの抜け漏れを確認する
・自動関連記事やウィジェットの表示ルールを見直す
・ナビゲーションには上位カテゴリだけを載せて整理する
・タグページに頼らずハブページから個別記事へ誘導する
・1クラスターにつきハブページは原則1つとする
・新規記事公開時にどのクラスターかを必ず決める
・内部リンクの棚卸しを定期的な運用フローに組み込む
・リンクの数よりもユーザーの読みやすさを重視する
・クラスターに属さない記事は目的を明確にして残す
・自動内部リンク機能は補助として意図的に使う
・運用ルールとチェックリストをチームで共有する
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