会議の議事録や報告書を書いたあとで、読み返してみると自分でも途中で息切れしそうな長さになっていることはありませんか。
伝えたいことはたくさんあるのに、読んでもらえなければ意味がありません。
この記事では、今ある文章からムダを削り、読みやすさを損なわずに簡潔に整えるコツを具体的に解説します。
・冗長な文章とは何かを具体例を交えて理解できる
・冗長な表現を削るための手順と判断基準がわかる
・つまずきやすいケースと削り方の対処法が学べる
・読みやすさを保ちながら簡潔に書くコツを整理できる
冗長な文章とは何かを理解する
まずは、どのような文章が「冗長」とみなされるのかを押さえることが大切です。
何がムダなのかが分からないまま削ろうとすると、必要な情報まで落としてしまうおそれがあります。
ここでは、冗長さの正体と、どこまで削るかの考え方を整理します。
結論:最短で伝わる文章の考え方
冗長な文章を直すときの結論はシンプルです。
読み手が理解するのに不要な言葉を減らし要点を前に出すことです。
同じ内容を伝えるのに、三行で済むところを五行使っているなら、その二行分が削れる余地です。
たとえば次のような文です。
「本件につきましては、先日の会議におきましてご説明させていただきました内容と同様でございます。」
これを削ると、次のようにできます。
「本件は、先日の会議で説明した内容と同じです。」
意味は変わらず、読み手の負担も小さくなります。
公的機関向け文書の作成指針でも、簡潔で分かりやすい文章が重視されるとされています(出典:文化庁「公用文作成の考え方」公式サイト)。
冗長な表現の代表パターン
冗長な表現には、よくあるパターンがあります。
代表的なものを知っておくと、推敲のときに見つけやすくなります。
- 同じ意味の言葉を重ねている
例「事前にあらかじめ」「後から振り返ってみる」 - なくても意味が変わらないクッション表現が多い
例「〜というような形で」「〜させていただきたいと思っております」 - 一文が長すぎて主語と述語が離れている
- 主語や目的語が重複している
現場では、丁寧に書こうとするあまりクッション表現が増え、結果として文章が長くなっているケースがよく見られます。
まずは自分の文章に出がちなパターンを知ることが、冗長さを削る近道になります。
読み手が感じる読みづらさの正体
書き手が「丁寧に説明した」と感じていても、読み手からは「長くて頭に入ってこない」と受け取られることがあります。
読みづらさの多くは、次のような状況で生まれます。
- 一文が長く、どこで区切ればよいか分からない
- 主語が途中で変わり、誰の話なのか迷う
- 重要な結論が文の後ろに埋もれている
たとえば、会議の案内メールで次のような文があったとします。
「このたび、以前より検討を重ねてまいりました新プロジェクトのキックオフミーティングを、関係各位のご予定を踏まえたうえで、下記のとおり開催いたします。」
読み手は「結局いつどこで何をするのか」を探すのに時間がかかります。
「新プロジェクトのキックオフミーティングを、下記のとおり開催します。」と先に示し、背景情報は別の文に分けたほうが理解しやすくなります。
どこまで削るかの判断基準
削りすぎると、事務的すぎて冷たく感じられたり、前提が分からなくなったりします。
どこまで削るかの判断基準として、次の三点を意識するとバランスを取りやすくなります。
- 読み手が目的を達成できるかどうか
- 誤解や行き違いが起きないかどうか
- 相手との関係性にふさわしい丁寧さが保たれているかどうか
たとえば、社内メモであれば多少割り切って簡潔にしても問題ない場合が多い一方で、取引先に謝罪する文書では背景説明や配慮の言葉が必要になることがあります。
削るときは「意味」と「関係性」に影響がないかを確認することが大切です。
公用文の作成に関する指針でも、読み手や目的に応じて情報量や表現を調整することが推奨されています(出典:文化審議会「敬語の指針」および「公用文作成の考え方」公式サイト)。
冗長な表現を削る具体的なコツ
冗長な表現の正体が分かったら、具体的にどのような手順で削っていくかを決めておくと作業が楽になります。
ここでは、準備から手順、つまずきやすいポイントまで一連の流れとして整理します。
準備と前提:削る前に確認すること
文章を削る前に、次の前提を明確にしておくと迷いが少なくなります。
- 読み手は誰か
- 文章の目的は何か
- 読み手に取ってほしい行動は何か
例えば、次のような会話イメージで考えると整理しやすくなります。
上司「このメールを読んだ相手に、最終的に何をしてほしいの。」
担当者「来週の打ち合わせに参加してほしいです。」
このようにゴールが分かっていれば、「ゴールに関係しない情報から優先的に削る」という判断がしやすくなります。
削る前に目的と読み手像をメモしておくことが、無駄な迷いを防ぐコツです。
手順:冗長な文章を削る3ステップ
冗長な文章を削るときは、次の三つのステップで進めると効率的です。
1.一文を短く区切る
2.意味の重複と不要なクッション表現を削る
3.主語と述語の関係を整える
まず、一文が三行以上になるような箇所は、文を二つか三つに分けます。
そのうえで「事前にあらかじめ」「〜というような形で」など、なくても意味が変わらない表現を探して削ります。
最後に、「誰が」「何をした」のかが一読して分かるように主語と述語の組み合わせを確認します。
例えば、次の文を三ステップで直してみます。
「当社といたしましては、今回の件につきまして真摯に受け止めておりまして、今後このような事態が再発しないように対策を講じてまいりたいと考えております。」
1.文を二つに分ける
「当社は今回の件を真摯に受け止めています。」
「今後同じ事態が起きないよう対策を講じます。」
2.意味の重複を削る
クッション的な「といたしましては」「と考えております」を削っても意味は変わりません。
3.主語と述語を確認する
「当社は」「受け止めています」「講じます」の関係が明確かどうかを確かめます。
このように、決まった手順で毎回同じように見直すことで、推敲の質が安定します。
つまずきやすいケースと対処法
冗長な表現を削る際に、特につまずきやすいのは次のようなケースです。
- 感情を和らげるクッション表現を削れない
- 複数の条件や例外を一文に詰め込んでしまう
- 上司や関係者の文章を直しづらい
例えば、クレーム対応メールでは、いきなり結論を書くと冷たく感じられることがあります。
そのため、「まずはお詫び」「次に状況説明」「最後に対応策」のように段階を分けて書き、各段落の中でだけ簡潔さを意識するとバランスを取りやすくなります。
複数の条件を書くときは、次のように箇条書きを使うと冗長さを避けられます。
・平日のご来店の場合
・土日祝日のご来店の場合
・大型連休中のご来店の場合
このように条件を分けると、読み手は自分に関係する行を選んで読めます。
企業の案内文や利用規約でも、条件ごとに項目を分ける書き方が用いられています(出典:マネーフォワードクラウド契約関連解説ページ)。
失敗を防ぐためのチェックポイント
削ったあとの文章が、かえって分かりにくくなることもあります。
そうした失敗を防ぐために、次のようなチェックポイントを用意しておくと安心です。
- 結論が冒頭または見出しで分かるか
- 一文を声に出して読んで息継ぎができる長さか
- 専門用語に簡単な説明を添えているか
- 読み手が「いつ」「どこで」「何をするか」を判断できるか
たとえば社内の共有文章では、経験上、声に出して読みづらい箇所がそのまま読み手のつまずきになっていることが多くあります。
文章を声に出して読んでみる習慣をつけるだけでも、冗長な部分に気づきやすくなります。
ビジネス文書研修でも、端的で分かりやすい文章表現が重視されることが多くあります。
読みやすさを保ちながら簡潔に書く
簡潔さだけを追いかけると、冷たく事務的な印象になってしまうことがあります。
ここでは、読み手への配慮や丁寧さを保ちながら、無理なく簡潔さを高める考え方を紹介します。
伝わる文章にするための心がけ
読みやすく簡潔な文章は、言い換えると「読む前に内容が予想しやすい文章」です。
見出しや冒頭の一文で、おおよその内容が分かるようにしておくと、多少情報量が多くても読み手は迷いにくくなります。
例えば、次の二つの見出しを比べてみます。
「今後の対応について」
「今後三か月間のサポート対応について」
後者のほうが、読み手は「期間と対象」が分かるため、本文を読む前からイメージを持てます。
見出しと冒頭文で要点を先に示すことが、冗長さを感じさせないための大きなポイントです。
ビジネス文書の作成手引きでも、結論や要点を冒頭で示す「結論先行型」の構成が推奨されることがあります。
簡潔さと丁寧さのバランスの取り方
簡潔さと丁寧さは、どちらか一方を選ぶものではありません。
状況によって、適切なバランスが変わります。
- 社内向けの定型連絡
簡潔さを優先し、必要最低限のクッション表現にとどめる。 - 取引先への依頼や謝罪
誤解を避けるための背景説明と、関係維持のための配慮を残す。 - 不特定多数に向けた案内文
受け手の状況がさまざまなため、条件や例外を整理して示す。
判断に迷うときは、「この一文を削っても、読み手は不安にならないか、誤解しないか」を基準にすると考えやすくなります。
例えば、次のような会話のイメージです。
同僚「この一文、なくても意味は伝わります。」
担当者「でも、この一文があると、相手が責められていると感じにくくなります。」
この場合は、意味だけでなく感情面への影響も考えて残す、という判断になります。
削るかどうか迷ったら、意味だけでなく相手の感情への影響も見ることが大切です。
よくある質問
Q.一文は何文字以内に収めるべきですか。
A.一律の正解はありませんが、読みやすさを考えると、一般的には一文が二行を超える場合は分けることを検討するとよいとされています。
Q.敬語を使うとどうしても長くなってしまいます。
A.「〜させていただきたいと思っております」など、似た意味の表現が重なると冗長になります。
「〜いたします」「〜します」など、意味が変わらない範囲で短く言い切ると簡潔になります。
Q.削りすぎてぶっきらぼうに見えないか不安です。
A.あいさつやお礼、お詫びの一文など、感情を伝える部分は残し、それ以外の説明文を中心に削るとバランスが取りやすくなります。
Q.時間がないときに手早く冗長さをチェックする方法はありますか。
A.結論が分かる一文と、それを支える根拠の文に分け、その他の文を一度外して読んでみる方法があります。
それでも意味が通る場合は、その文を削る候補にできます。
文章の冗長な表現を削るコツについてのまとめ
・冗長な文章とは読み手にとって不要な言葉が多い状態
・自分の文章に出やすい冗長パターンを把握しておく
・削る前に読み手と目的と取ってほしい行動を確認する
・一文が長い箇所は分割してから余分な表現を削る
・同じ意味の語やクッション表現の重なりを優先的に減らす
・削ったあとも誤解や行き違いが起こらないかを確認する
・声に出して読みづらい箇所は冗長な可能性が高い
・条件や例外が多い内容は箇条書きで分けて整理する
・見出しと冒頭文で要点を先に示し内容を予測しやすくする
・簡潔さと丁寧さは相手との関係性に応じて調整する
・削るか迷う文は相手の不安や感情への影響で判断する
・社内連絡は簡潔さを優先し対外文書は配慮も残す
・毎回同じ手順で推敲すると文章の質が安定しやすくなる
・チェックリストを用意して時間がないときも最低限確認する
・冗長表現を減らすことは読み手への思いやりにもつながる
・ビジネスの謝罪メールの文章構成とシーン別例文テンプレ
・催促メールで角が立たない言い回しのコツと例文ガイド
・依頼メールを丁寧に断る例文集|相手に失礼なく断るコツ完全ガイド
・ビジネスメールの言い回しを失礼にならないように柔らかくする
・低品質コンテンツの判断基準とコンテンツの改善ステップ
・内部リンク設計でSEOを高めるクラスター構造の作り方
・アフィリエイトが成約しない原因と改善ステップをやさしく解説
・アフィリエイトリンクがクリックされない時の原因と見直しポイント
・GoogleタグマネージャーとGA4設定の始め方とつまずき対処法
・GA4イベントが設定できない原因と確認ステップ&対処法
・GA4でコンバージョンを正しく設定するための基本と手順
・Search Consoleのクロール済みインデックス未登録の原因と対策
・Search Consoleでサイトマップを送信できないときの原因と対処法
