取引先からの厳しいクレームメールが届き、すぐにお詫びを返さなければいけないのに、どんな文章構成にすればよいか手が止まってしまうことがあります。
ビジネスではスピードも大事ですが、慌てて送った謝罪メールが相手の怒りをさらに強めてしまうこともあります。
あらかじめ「型」とテンプレートを用意しておけば、状況に合わせて中身だけを落ち着いて入れ替えられます。
・謝罪メールの基本構成と考え方
・シーン別の謝罪メール文章テンプレート
・メールで謝るべきか対面で謝るべきかの判断基準
・謝罪メールでよくあるつまずきと注意点
謝罪メールの文章構成を理解する
まずは謝罪メールの目的と、文章構成の全体像を整理します。
全体の流れが見えていると、テンプレートを使うときもどこをどう書き換えるか判断しやすくなります。
結論:謝罪メールは構成パターンを決めておく
結論として、謝罪メールはあらかじめ構成パターン(型)を決めておくことが重要です。
毎回ゼロから考えると時間がかかり、感情的な表現や言い訳が入りやすくなります。
型を決めておけば、状況ごとに事実や日時、対応内容などを差し替えるだけで、一定の質を保ったメールを短時間で作成できます。
実務の現場でも、標準的な謝罪メールのテンプレートを共有している部署は、トラブル対応の初動が安定しているケースが多く見られます。
全体像:謝罪メールの基本構成5ステップ
一般的な謝罪メールは、次の5つの要素で考えると整理しやすくなります。
- 件名:何について謝っているのかが一目で分かる
- 冒頭あいさつ:通常のあいさつ+お礼
- 事実の説明:何が起きたのかを簡潔に説明
- 謝罪と今後の対応:お詫びの言葉と、現在・今後の対応
- 結びの言葉:重ねてお詫びしつつ、今後のお願い
たとえば、社内向けであれば、
「件名:資料提出遅延のお詫び
お疲れ様です。
営業部の佐藤です。
本日10時までに提出すべき△△案件の見積書について、
私の確認不足により提出が遅れております。
このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ありません。
現在、内容を再確認のうえ、本日15時までにお送りします。
今後は締切前日のダブルチェックを徹底し、再発防止に努めます。
改めてお詫び申し上げます。」
のように、5つの要素を順番に並べるだけで、最低限伝えるべき情報を網羅できます。
用語と前提:お詫びメールと通常連絡の違い
謝罪が必要な場面でも、通常の連絡メールと同じテンションで書いてしまうと、相手に「軽く扱われている」と感じさせてしまうことがあります。
お詫びメールでは、次のような点が通常連絡と大きく異なります。
- 件名に「お詫び」「不手際」「ご迷惑」などの語を入れる
- 冒頭で本題に入る前に、謝罪の姿勢を明確にする
- 原因や事情を書くときも、言い訳にならないように簡潔にまとめる
たとえば、
「件名:納期遅延のご報告」
よりも、
「件名:【納期遅延のお詫び】△△案件のご報告」
とした方が、受信時点で「重要な謝罪の連絡だ」と理解してもらいやすくなります。
判断基準:メールで謝るか対面で謝るか
謝罪の方法は、メールだけで済ませてよい場合と、電話や訪問を優先すべき場合があります。
判断する際は、次のような観点で考えると整理しやすくなります。
- 相手との関係性(重要な取引先か、日常的にやり取りがあるか)
- 影響の大きさ(損害の有無、関係部署の数、金額の規模など)
- 相手の温度感(強い不満や怒りが出ているか)
一般的には、金銭的な影響があるトラブルや、取引停止につながる可能性がある場合は、まず電話や訪問で謝罪し、その後に記録としてメールを送る流れが用いられることが多いです。
メールは、口頭で伝えた内容を整理し、再度確認してもらうための「書面」として活用するとよいでしょう。
注意点:よくある誤解とNG表現
謝罪メールでは、表現を誤ると相手の不信感を強めてしまいます。
特に次のような書き方には注意が必要です。
- 「取り急ぎ、お詫びまで。」だけで詳細を書かない
- 「〇〇のせいで」「システムトラブルにより」と他責に聞こえる書き方
- 「すみませんでした」を多用し、かしこまった表現が少ない
ビジネスの謝罪では、
- 「申し訳ございません」
- 「深くお詫び申し上げます」
などの丁寧な表現を用いることが一般的とされています(出典:文化庁「敬語おもしろ相談室」公式サイト:https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html)。
一方で、何度も同じ表現を繰り返すと、文章がくどくなるため、文末表現を少しだけ変えながら、全体として落ち着いた印象になるように意識するとよいでしょう。
シーン別の謝罪メール文章テンプレート
ここからは、よくあるシーンごとに、具体的な文章テンプレートを紹介します。
あくまで「型」として捉え、自社のルールや相手との関係に合わせて調整しながら使うことが大切です。
代表パターン:社内・取引先・個人宛の3分類
ビジネスの謝罪メールは、大きく次の3パターンに分けて考えると整理しやすくなります。
- 社内向け:上司や同僚など、社内メンバーへのお詫び
- 取引先・顧客向け:会社として外部の相手に送るお詫び
- 個人宛:特定の担当者や、個人情報の扱いに関するお詫び
一般的には、社外に向けた謝罪ほど丁寧な表現と情報量が求められる傾向があります。
一方で、社内向けでも、部署全体に影響するミスの場合は、社外向けと同じレベルの丁寧さが必要になることもあります。
社内向けの謝罪メールテンプレート
社内向けの謝罪では、率直さと今後の対応を簡潔に伝えることがポイントです。
例として、資料提出遅れのテンプレートを示します。
件名:資料提出遅延のお詫び
お疲れ様です。
営業部の佐藤です。
本日10時までに提出予定でした△△案件の見積書について、
私のスケジュール管理不足により、期限までに提出できておりません。
プロジェクトの進行に影響を与えてしまい、誠に申し訳ありません。
現在、内容を再確認のうえ、
本日15時までに最新版を共有いたします。
今後は、提出期限前日にリマインドを設定し、
余裕を持ったスケジュール管理を徹底します。
このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
社内向けでは、原因を簡潔に認めたうえで、いつまでにどう対応するかを明確に書くことが信頼回復のポイントになります。
取引先・顧客への謝罪メールテンプレート
取引先や顧客への謝罪では、社内向けよりも丁寧な敬語と文量が求められることが多いです。
また、会社としての責任を意識した書き方が重要になります。
例として、納品遅れの社外向けテンプレートです。
件名:【納品遅延のお詫び】△△製品のご注文について
株式会社〇〇
営業部 △△様
平素より大変お世話になっております。
株式会社□□の佐藤でございます。
このたびは、△月△日納品予定の△△製品につきまして、
弊社の不手際により納品が遅れておりますこと、
深くお詫び申し上げます。
現在、工場と連携し出荷作業を優先的に進めており、
△月△日までにはお届けできる見込みでございます。
本件の原因は、在庫確認と生産計画の連携不足にございます。
今後同様の事態が生じないよう、
出荷前の確認プロセスを見直し、チェック体制を強化いたします。
このたびはご迷惑をおかけいたしましたことを、
重ねてお詫び申し上げます。
何かご不明な点がございましたら、
ささいなことでもお申し付けください。
社外向けの謝罪では、原因と再発防止策を簡潔かつ具体的に書くことが、相手の安心感につながります。
納期遅延をお詫びするメールテンプレート
納期遅延は、ビジネスで特にトラブルになりやすいテーマです。
テンプレートを使う際は、次の3点を必ず入れるよう意識するとよいでしょう。
- どの案件(注文番号・案件名)か
- どのくらい遅れるのか(新しい納期の目安)
- 相手への影響を軽くするために何をするか
例として、次のような構成が考えられます。
件名:【納期遅延のお詫び】○○商品の出荷について
株式会社〇〇
△△部 △△様
いつもお世話になっております。
株式会社□□の佐藤でございます。
このたびご注文いただきました「○○」につきまして、
部材調達の遅れにより、当初のご案内より納期が遅れる見込みとなりました。
当初のご案内:△月△日納品予定
現在の見込み:△月△日納品予定
急ぎでご利用のところ、多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
現在、代替ルートでの部材調達と、
社内での優先生産体制を整えております。
また、ご希望に応じて、代替品のご提案や、
分割納品の対応も検討させていただきます。
今後は、在庫管理と生産計画の連携を見直し、
再発防止に努めてまいります。
納期遅延の場合、実務では「楽観的な納期」を書いてしまい、さらに遅延して関係悪化につながるケースも多く見られます。
無理のない納期を提示し、余裕を持った見込みを伝えることが重要です。
誤送信・情報ミスをお詫びするメールテンプレート
メールの誤送信や、誤った情報を伝えてしまったケースでは、素早い訂正と再発防止策の提示が特に重要です。
個人情報や機密情報を含む場合は、自社の規程や関連法令に沿った対応が求められます(出典:個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」公式サイト:https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/leakAction/)。
例として、誤った見積金額を送ってしまった場合のテンプレートです。
件名:【訂正とお詫び】△△案件のお見積りについて
株式会社〇〇
△△部 △△様
いつもお世話になっております。
株式会社□□の佐藤でございます。
先ほどお送りいたしました△△案件のお見積書に、
金額の誤りがございました。
誤:小計 150,000円(税込 165,000円)
正:小計 180,000円(税込 198,000円)
誤った情報をお伝えしてしまい、
ご検討のお時間を無駄にしてしまいましたこと、
深くお詫び申し上げます。
添付の見積書が正しい内容となりますので、
改めてご確認いただけますと幸いです。
今後は、見積書送付前のダブルチェックを徹底し、
再発防止に努めてまいります。
誠に申し訳ございませんでした。
誤送信や誤情報の訂正では、どこがどう誤っていたのかをはっきり書くことが信頼回復につながります。
電話や訪問と併用するときのメールテンプレ
重大なトラブルの場合、電話や訪問で謝罪したあとに、メールで内容を整理して送るケースが多くあります。
このときのメールは「改めて書面で残す」意味合いが強くなります。
例として、電話後のフォローメールです。
件名:【本日のご連絡内容のまとめとお詫び】△△の不具合について
株式会社〇〇
△△部 △△様
平素よりお世話になっております。
株式会社□□の佐藤でございます。
本日はお電話にて、
弊社製品△△の不具合につきまして、
ご迷惑をおかけしている件についてお話しさせていただきました。
改めまして、多大なるご不便をおかけしておりますこと、
深くお詫び申し上げます。
本日の内容を、下記のとおり整理してご連絡いたします。
1.現時点で判明している事象
2.原因の仮説と調査状況
3.今後の対応とスケジュール
4.再発防止策の検討方針
今後の進捗につきましては、
△月△日までに中間報告を差し上げ、
最終的な対策案を△月△日までにご提示いたします。
引き続きご不便をおかけいたしますが、
何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
電話や訪問との併用では、「いつ何をしたか」「次に何をするか」を整理して残すことが、双方の認識のズレを防ぐうえで役立ちます。
謝罪メールのテンプレを使いこなすコツ
最後に、テンプレートを実際に使うときのつまずきやすい点と、よくある質問を整理します。
同じ型でも、相手や状況によって微調整の仕方が変わることを意識して活用することが大切です。
謝罪メールでよくあるつまずきと対処
謝罪メールを作成するとき、次のようなつまずきがよく見られます。
1.何から書き始めればよいか分からない
2.どこまで原因を書いてよいか迷う
3.テンプレをそのまま使って、不自然になる
それぞれの対処のポイントは次のとおりです。
1.何から書き始めればよいか分からない場合
まずは「何について謝っているのか」を1文で書き出します。
「このたびは、△△の件でご迷惑をおかけし、申し訳ございません。」のような定型文から書き始めると、文章の流れを作りやすくなります。
2.どこまで原因を書いてよいか迷う場合
原因については、
- 相手が対応に必要な情報かどうか
- 社内規程や守秘義務に反しないかどうか
を基準に考えるとよいでしょう。
機密情報や他社との契約内容に触れる部分は、メールでは詳細を書きすぎない判断も必要です。
3.テンプレをそのまま使って、不自然になる場合
実務では、テンプレの数字や日付、会社名を差し替え忘れたまま送ってしまい、かえって信頼を損ねるケースも問題になりがちです。
テンプレを使用したあとには、相手の名前・日付・案件名が正しいかを最後に確認するチェックリストを用意しておくと安心です。
よくある質問
Q.お詫びの言葉は何度も書いた方がよいですか?
A.むやみに回数を増やすより、要所で丁寧な表現を使う方が落ち着いた印象になります。
冒頭・原因説明のあと・結びの3か所程度に絞ることが多いです。
Q.どこまで詳細に原因を書けばよいですか?
A.相手が対応を判断できるレベルの情報を目安に考えるとよいでしょう。
一方で、社内ルールや法令に関わる内容は、社内で確認したうえで記載範囲を決めることが一般的です。
Q.社内向けでも敬語は崩さない方がよいですか?
A.社内文化にもよりますが、トラブルに関する謝罪では、丁寧な敬語を使う方が無難な場合が多いです。
特に上司や関係部署が複数関わる場合は、一定のフォーマルさを保つ方が安全です。
Q.長文になりすぎるのが心配です。
A.謝罪メールは短すぎても不安を与えますが、読む側の負担も考える必要があります。
1通の中で「何が起きたか」「どのように対応するか」が分かるようにしつつ、段落を分けて読みやすくすることが大切です。
謝罪メールの文章構成とテンプレのまとめ
・謝罪メールはあらかじめ構成パターンを決めておくと迷いにくい
・基本構成は件名あいさつ事実謝罪対応結びの五つの要素で考える
・お詫びメールでは件名と冒頭で謝罪の姿勢を明確に示す
・メールか対面かの判断は関係性影響度相手の温度感で考える
・社内向けは率直さと対応期限の明示が重要になる
・社外向けは原因と再発防止策を簡潔かつ具体的に伝える
・納期遅延では新しい納期と影響を軽減する案を必ず添える
・誤送信や誤情報の訂正では何がどう誤っていたかをはっきり示す
・電話や訪問後のメールは内容整理と記録としての役割を意識する
・テンプレ使用時は名前日付案件名の差し替え漏れに注意する
・原因の記載範囲は相手の判断に必要かと守秘の観点で決める
・謝罪表現は回数より位置と言葉選びを意識する
・敬語や言葉遣いは社内外問わず丁寧さを基本とする
・重大なトラブルではメール単独より複数の手段で誠意を示す
・最後に読み返して相手視点で伝わるかを確認する習慣をつける
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