会議後に「結局、何が言いたかったの?」と言われてしまい、話した内容をそのまま文章にしても読み返すと伝わっていないと感じることは多いです。
そんなときに役立つのが、結論から順番に並べるシンプルな型であるPREP法です。
型さえ覚えてしまえば、ビジネスメールや企画書、プレゼン原稿など、さまざまな場面で応用できます。
この記事では、PREP法の基本とメリットを整理しつつ、実際にそのまま流用できるレベルの例文や、よくあるつまずきどころへの対処法までまとめて解説します。
「理屈はわかったけれど、いざ書こうとすると手が止まる」という状態から抜け出せるように、判断基準やチェックリストも用意しています。
・PREP法の基本構造と向く場面・向かない場面
・PREP法を使った文章の書き方ステップと具体例
・ビジネスシーン別に使えるPREP法の代表パターン
・PREP法でよくある失敗とチェックポイント
PREP法の基本とメリットを押さえる
まずはPREP法そのものの意味や、どんな場面で使うと効果的かを整理します。
ここを押さえておくと、単なる「型の暗記」ではなく、状況に合わせて柔軟に使い分けられるようになります。
PREP法の結論と読みどころ
PREP法は、結論→理由→具体例→結論の順で話を組み立てる型です。
Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(再度の結論)の頭文字を取った略称です。
(出典:Web担当者Forum公式サイト)(Web担当者Forum)
多くの場合、読み手は最初に「この文章は自分と関係があるかどうか」を判断します。
そのため、最初に結論を示すことで、読むかどうかの判断材料を早く提供できます。
この記事の読みどころは次の3つです。
1つ目は、PREP法を「どの場面で使うか」まで含めて理解できることです。
2つ目は、そのまま真似できる例文を通じて、実務で使うイメージが持てることです。
3つ目は、自分の文章を見直すチェックポイントが手に入ることです。
現場でも、報告メールや提案資料をPREP法で書き直しただけで、「要点がわかりやすくなった」と評価されるケースが多く見られます。
その一方で、すべての文章をPREP法で書けばよいわけではない点も意識しておくと使いやすくなります。
PREP法とは何かをやさしく整理
PREP法は、読み手に負担をかけずに要点を理解してもらうための、シンプルな論理展開の型です。
特に、ビジネスコミュニケーションやプレゼンテーションで使われることが多い手法です。
(出典:LISKUL公式サイト)(LISKUL)
構造は次のように表せます。
- Point:いちばん伝えたい結論
- Reason:その結論に至った理由
- Example:理由を補強する具体例やデータ
- Point:もう一度、簡潔に結論を述べる
たとえば、上司への報告メールなら、次のようになります。
「結論:A案を採用したいです。
理由:コストを抑えつつ、納期に間に合う見込みが高いからです。
具体例:過去の同規模プロジェクトでもA案と同様の構成で、予定どおり完了しています。
結論:以上の理由から、今回はA案の採用を提案します。」
このように、結論と理由、具体例の位置が決まっていることで、書き手は迷いにくく、読み手も理解しやすい構造になります。
PREP法が向く場面と向かない場面の判断基準
PREP法が向くのは、相手に「判断してもらう」「行動してもらう」ことが目的の文章です。
たとえば、企画の採否を決めてもらう提案、会議での判断材料になる報告、依頼メールなどです。
判断基準として、次のようなポイントを見ると選びやすくなります。
- 読み手が忙しく、結論だけでも先に知りたいか
- 賛成・反対など、何らかの意思決定が必要か
- 「なぜそう言えるのか」という説明が求められるか
一方で、ストーリーを楽しんでもらう文章や、読み手に自由に解釈してもらう文章には、PREP法はあまり向きません。
たとえばエッセイや物語などでは、結論を最後まで明かさない構成のほうが効果的な場合もあります。
現場では、報告書の前半はPREP法で要点をまとめ、後半に詳細なデータや経緯を書くなど、他の構成と組み合わせて使われることも多いです。
状況によって型を使い分けることで、読み手の負担を減らせます。
PREP法でありがちな誤解と注意点
PREP法は便利な一方で、いくつか誤解されやすい点があります。
よくあるのは、「結論さえ最初に書けばPREP法になっている」という捉え方です。
実際には、結論と理由、具体例のつながりが自然になっているかどうかが重要です。
たとえば、理由が抽象的すぎたり、具体例が結論とずれていたりすると、読み手は納得しにくくなります。
注意したいポイントは次のとおりです。
- 結論が長すぎて、何をしてほしいのかがぼやけている
- 理由が「なんとなく」レベルで、数字や事実が薄い
- 具体例が一つもなく、印象に残らない
- 最後の結論が、最初の結論と言い回しも内容も違う
現場でも、「PREP法で書いたつもりなのに、納得してもらえない」という相談は多いです。
その多くは、型そのものよりも、理由や具体例の質に原因があります。
後半で紹介するチェックリストを使うと、こうした失敗を減らせます。
PREP法の書き方ステップと具体例
ここからは、実際に文章を書くときのステップと、具体的な例文を見ていきます。
書き出す前の考え方と、書いた後の見直しのポイントをセットで押さえることが大切です。
PREP法の全体像を一枚のフローで捉える
PREP法で書くときは、いきなり文章にせず、まずメモ段階で4要素を並べるとスムーズです。
イメージとしては、次のようなメモを作ります。
1.Point(結論):何をしてほしいのか
2.Reason(理由):なぜそれが良いのか
3.Example(具体例):事例や数字、比較など
4.Point(再結論):読み手にどう動いてほしいか
たとえば、「在宅勤務日の増加を提案する」ケースなら、メモは次のようになります。
- 結論:週1日から週2日の在宅勤務に増やしたい
- 理由:生産性向上と通勤負担の軽減が期待できる
- 具体例:試験導入期間に残業時間が減った実績がある
- 再結論:正式な運用ルールとして週2日に増やしたい
このメモを元に文章を組み立てると、迷いが減り、短時間で書けるようになります。
現場でも、まず箇条書きの下書きを作ってから文章化する方法がよく使われています。
Point(結論)を書くときのコツと例文
結論を書くときのコツは、「誰が何をどうするのか」が一読でわかるようにすることです。
抽象的な表現はできるだけ避け、行動や判断を具体的に書きます。
悪い例としては、次のような書き出しが挙げられます。
「今回の件について、ご報告いたします。」
これでは、読み手は「良い話なのか悪い話なのか」「自分が何をすべきなのか」がわかりません。
より望ましい例は次のような形です。
「結論として、A社との契約更新を見送ることを提案します。」
「結論からお伝えすると、来期の広告予算は10%削減して進めたいと考えています。」
このように、「結論として」「結論からお伝えすると」といった前置きを使うと、読み手も心構えがしやすくなります。
会議でも、最初にこの一文を口頭で伝えてから詳細を説明することで、議論がかみ合いやすくなるケースが多く見られます。
ReasonとExampleをふくらませる書き方
Reason(理由)とExample(具体例)は、結論を支える部分です。
ここでの判断基準は、読み手が「それなら納得できる」と感じる根拠になっているかどうかです。
理由を書くときは、次のような要素を意識すると具体性が増します。
- 数字や期間など、客観的な情報
- 比較対象(前月比、他社例、過去の案件など)
- 読み手にとってのメリットやリスク
具体例では、場面をイメージできるように書くと伝わりやすくなります。
たとえば、社内説明用の文章なら次のような形です。
「理由は2点あります。
1点目は、A案が既存システムを流用できるため、初期費用を約2割抑えられる見込みがあることです。
2点目は、B案と比較して導入期間が1か月短く、現場の負担を減らせることです。
具体例として、昨年度のCプロジェクトでは、A案と同様の構成を採用し、予定より2週間早くリリースできました。
このときも、既存システムの流用によってテスト工程を短縮できたという背景があります。」
このように、理由と具体例をセットで書くと、読み手はイメージしやすくなります。
最後のPointで読者を動かす表現パターン
最後のPointは、単に結論を繰り返すだけでなく、読み手に取ってほしい行動を明確にするのがポイントです。
ここがあいまいだと、「結局、どうすればいいのか」が伝わりません。
よく使われるパターンは次のようなものです。
- 「以上の理由から、○○を提案します。」
- 「そのため、△日までにご承認をいただけますと幸いです。」
- 「つきましては、来週の会議でA案採用についてご検討ください。」
たとえば、上司へのメールなら、次のように締めることができます。
「以上の理由から、来月からの在宅勤務日数を週2日に増やすことをご検討いただければと存じます。」
現場では、この最後の一文を丁寧に書くだけで、「依頼の意図が分かりやすくなった」と感じてもらえることが多いです。
読み手の立場に立ち、「何をすればよいかが一文でわかるか」を判断基準にすると、表現を選びやすくなります。
ビジネスシーン別PREP法の代表パターン
PREP法は、パターンとして覚えておくと使いやすくなります。
代表的なシーンごとに、よく使われる型を整理しておきます。
1.報告メールのパターン
- 結論:結果や現状
- 理由:そうなった背景や要因
- 具体例:数字やエピソード
- 再結論:今後の対応方針
2.提案書・企画書のパターン
- 結論:提案したい施策
- 理由:市場状況や課題、期待効果
- 具体例:試算、他社事例、シミュレーション
- 再結論:導入スケジュールや決めてほしい事項
3.依頼・お願いメールのパターン
- 結論:してほしいこと
- 理由:なぜ必要なのか、相手のメリット
- 具体例:期限や作業内容のイメージ
- 再結論:改めて依頼の一文
たとえば、同じPREP法でも、「依頼」では丁寧さを重視し、「報告」では簡潔さを優先するなど、シーンによってトーンを調整することが多いです。
自分の業務でよく使うパターンをメモしておくと、毎回ゼロから考えずに済みます。
PREP法を使いこなすための練習法とチェックリスト
最後に、PREP法を実務レベルで使いこなすための練習法と、よくあるつまずきへの対処の考え方を紹介します。
日々のメールやチャットでも少しずつ試していくことで、自然と身についていきます。
PREP法で構成を選ぶときの判断基準
文章を書く前に、「本当にPREP法が合っているか」を一度考えると、ちぐはぐな印象を避けやすくなります。
判断基準として、次の3点を意識します。
- 読み手がすぐに結論を知りたい状況か
- 賛否を決めたり、承認したりする必要があるか
- 感情よりも、理由や根拠で理解してほしい内容か
たとえば、「社内イベントの雰囲気を共有したい」だけなら、時系列で写真と一緒に紹介する構成のほうが合っている場合があります。
一方、「来年度も同様のイベントを実施するかどうかを決めたい」なら、PREP法で結論と根拠を整理したほうが伝わりやすくなります。
現場では、同じテーマでも、「情報共有」と「意思決定」のどちらが目的かで構成を変えるケースが多く見られます。
目的との一致を確認することが、型選びの大事なポイントです。
つまずきやすいポイントと対処の考え方
PREP法を使い始めたときに、多くの人がつまずくポイントがあります。
代表的なものと、その対処の考え方を整理します。
1.「理由が思いつかない」
結論を先に決めてしまうと、あとから理由が苦しくなることがあります。
対処として、最初は「理由になりそうなこと」をいくつか書き出し、その中から結論を決める方法も有効です。
2.「具体例がいつも同じになる」
同じ事例ばかり使うと説得力が弱く感じられることがあります。
日頃から、実務で起きた出来事や数字をメモしておくと、ストックとして使いやすくなります。
たとえば、会議中のメモに「このエピソードは次回の提案に使えそう」と印を付けておくなど、小さな工夫で具体例の幅を広げていくことができます。
よくある質問
Q.PREP法は一通りしかないのですか。
A.多くの場合、結論→理由→具体例→結論の順ですが、状況によっては具体例を複数並べたり、理由を2つに分けたりすることもあります。
ただし、結論を最初と最後に置くという大枠は維持すると、読み手が理解しやすくなります。
(出典:富士フイルム公式サイト)(富士フイルム)
Q.短いチャットメッセージにもPREP法は使えますか。
A.使えます。
たとえば、「結論+理由」だけを簡略版として使うだけでも、相手が判断しやすくなります。
Q.PREP法ばかり使うと、文章がワンパターンになりませんか。
A.同じ型を使い続けると、マンネリ感が出ることはあります。
その場合は、表現を変えたり、時系列で説明するパートを混ぜたりして、他の構成と組み合わせるとバランスを取りやすくなります。
Q.数字やデータがないとPREP法は使えませんか。
A.必ずしも数字が必要なわけではありません。
ただし、「誰がどう感じたか」「何が変わったか」など、具体的なエピソードを添えると説得力が高まりやすくなります。
ビジネスの場では、報告や相談、提案といった日常的なコミュニケーションの基盤として活用される場面も多く見られます。
(出典:マネーフォワードクラウド公式サイト)(バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」)
PREP法の書き方と例についてのまとめ
・PREP法は結論理由具体例結論の順で構成する型
・忙しい読み手に要点を素早く伝えたい場面に向く
・Pointは誰が何をどうするかを具体的に書く
・Reasonは数字比較読み手のメリットを意識する
・Exampleは場面が浮かぶエピソードを選んで書く
・最後のPointで相手に取ってほしい行動を示す
・報告提案依頼など目的別の型をメモしておく
・PREP法が向くかどうかは目的との一致で判断する
・情報共有より意思決定が目的のときに効果的
・理由が出にくいときは先に根拠候補を洗い出す
・具体例のストック作りに日々のメモを活用する
・結論と理由具体例のつながりを必ず確認する
・同じテーマでも構成を状況に合わせて調整する
・短いメッセージでは結論プラス一言理由でも良い
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