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要件定義の抜け漏れを防ぐ実務向けヒアリング質問リスト事例集

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要件定義の抜け漏れを防ぐ実務向けヒアリング質問リスト事例集

クライアントとの要件定義の打ち合わせで、何をどこまで聞けばよいのか分からないまま時間だけが過ぎてしまうことがあります。
その結果、持ち帰ったメモを読んでも要件が整理できず、社内に共有しづらいと感じることもあります。
この記事では、そうした悩みを減らすためのヒアリング質問リストと、その使い方のコツをまとめます。

この記事でわかること

・要件定義でヒアリングがなぜ重要なのかが分かる
・目的別に整理されたヒアリング質問リストを把握できる
・質問リストを案件ごとに取捨選択する判断基準が分かる
・会議前後の準備や運用のコツとよくある失敗を学べる

目次

要件定義でヒアリングが重要な理由

要件定義の段階でどれだけ丁寧にヒアリングできたかは、後工程の手戻りに大きく影響します。
ここでは、そもそも要件定義とヒアリングが何を意味しているのか、基本を整理しておきます。
そのうえで、ヒアリングの質がプロジェクト全体にどう効いてくるのかを見ていきます。

要件定義とヒアリングの基本を整理する

要件定義とは、システムやサービスに対して「何を実現したいか」「どのような条件で動くべきか」を整理して文書化するプロセスです(出典:情報処理推進機構公式サイト:https://www.ipa.go.jp/)。
ヒアリングは、その素材となる情報を関係者から引き出すための対話の場です。

現場では、要件定義と設計が混ざって語られることがあります。
「この画面が欲しい」といった要望は設計寄りの話であることが多く、本来は「なぜその画面が必要か」という目的レベルから整理する必要があります。

ヒアリングの本来の目的は、相手の頭の中にある目的や制約、暗黙の前提を表に出すことです。
質問リストはそのための補助ツールにすぎないため、リストを読むこと自体が目的にならないよう意識することが大切です。

ヒアリングで押さえたい三つの要点

要件定義のヒアリングでは、次の三つを意識すると整理しやすくなります。

  • 目的・背景
    なぜそのプロジェクトを行うのか、何を達成したいのかを明らかにする。
  • 現状・課題
    今どうなっていて、どこに困りごとがあるのかを具体的な事例とともに聞き出す。
  • 制約・条件
    予算、スケジュール、既存システム、組織のルールなど、自由に決められない前提を確認する。

たとえば次のような会話です。

担当者「とにかく使いやすいシステムにしたいです。」
担当者の発言だけでは目的がぼやけています。
そこで、次のような質問を重ねます。

「使いやすさという言葉の中身をもう少し教えてください。
例えば、入力時間を短くしたい、ミスを減らしたい、研修時間を減らしたいなど、どのイメージが近いでしょうか。」

このように、三つの要点を意識して質問を組み立てると、相手の言葉を具体的な要件に落とし込みやすくなります。

ヒアリング品質がプロジェクトに与える影響

ヒアリングの質が低いと、要件定義書に反映される情報も曖昧になります。
その結果、設計や開発の段階で「これは想定していなかった」という認識のズレが表面化し、手戻りや追加工数が増えがちです。

実務では、初回ヒアリングで目的や制約を曖昧なまま進めてしまい、テスト段階で「この業務もカバーしてほしかった」と言われるケースがよくあります。
こうした事態の多くは、早い段階で関係者をそろえてヒアリングしておけば防げたと振り返られます。

ヒアリングに時間をかけることは、後工程のリスクを下げる投資と捉えるのが実務上の考え方です。
ただし、すべてを一度に聞き切ろうとすると相手の負担が大きくなるため、優先度をつけて複数回に分ける判断も重要です(出典:PMI公式サイト:https://www.pmi.org/)。

要件定義のヒアリング質問リストの全体像

ここからは、実際に使える質問リストの考え方を整理します。
単に質問を並べるのではなく、カテゴリごとに整理しておくことで、案件ごとに取捨選択しやすくなります。
まずは全体の分類を確認し、そのあと代表的な質問例を見ていきます。

質問リストの代表的な分類とカバー範囲

要件定義のヒアリング質問リストは、一般的に次のような分類で整理するとバランスがとりやすくなります。

  1. ビジネス目的・成功指標に関する質問
  2. 現状の業務フロー・課題に関する質問
  3. 関係者・体制・運用ルールに関する質問
  4. 機能要件・業務シナリオに関する質問
  5. 非機能要件・制約条件に関する質問(出典:経済産業省公式サイト:https://www.meti.go.jp/、情報処理推進機構公式サイト:https://www.ipa.go.jp/)

この五つをひととおりカバーできるよう質問リストを作っておくと、抜け漏れを減らしやすくなります。
実務では、これに「今後の拡張方針」「移行・教育」に関する質問を追加しているチームも多いです。

目的別ヒアリング質問リストの例

ここでは、目的別に代表的な質問例をいくつか挙げます。
実際には案件や業界に合わせて言い回しを調整しながら使います。

1. ビジネス目的・成功指標

  • 今回のプロジェクトで、一番達成したいことは何でしょうか
  • この取り組みがうまくいったかどうかは、どのような指標で判断しますか
  • 社内でこのプロジェクトを提案したとき、どのような期待や背景がありましたか

2. 現状の業務フロー・課題

  • 現在の業務の流れを、最初から最後まで簡単に教えてください
  • どの場面で時間がかかっていると感じますか
  • 最近「ミスが多い」と感じた具体的な事例はありますか

3. 関係者・体制・運用ルール

  • このシステムを日常的に使う人はどなたでしょうか
  • 最終的な意思決定を行う方は誰ですか
  • 運用ルールや監査上、守らなければならない決まりはありますか

4. 機能要件・業務シナリオ

  • 1日の業務のうち、このシステムで特に支援したい場面はどこですか
  • もし理想的な画面や帳票があるとしたら、どのような情報が載っていると便利でしょうか
  • 既存のシステムで「ここは残したい」「ここは変えたい」という点はどこですか

5. 非機能要件・制約条件

  • サービスインまでの希望時期はいつごろでしょうか
  • 想定しているユーザー数やアクセスのピークタイミングはありますか
  • 既存のインフラやソフトウェアで、必ず連携したいものはありますか

たとえば、非エンジニアの担当者との打ち合わせでは、次のような会話がよくあります。

担当者「正直、どんな質問をされるのか不安です。」
「今日は、まずお仕事の流れと困っているところを教えていただき、そのあとにシステムに必要な機能を一緒に整理する流れを想定しています。」

このように、質問リストを見せながら全体の流れを説明すると、相手も安心して回答しやすくなります。

質問リストを取捨選択する判断基準

質問リストは、そのまま全部を聞けばよいというものではありません。
案件ごとに取捨選択するための判断基準を持っておくと、ヒアリングの時間を有効に使えます。

代表的な判断基準は次の通りです。

  • プロジェクトの目的が明確かどうか
    まだ目的が固まっていない場合は、目的・背景の質問を厚めにする。
  • 相手のITリテラシーや立場
    現場担当者には業務フロー中心、経営層にはビジネス目的中心の質問を増やす。
  • ヒアリングに使える時間
    限られた時間では、重要度の高いカテゴリから優先して質問する。

判断に迷ったときは、「目的→現状→制約→機能」の順番を基本形とすると、大きなズレは起こりにくくなります。
この順に質問を並べておき、時間に応じて下位の質問を削るイメージで調整すると運用しやすくなります。

チェックリスト化するときの注意点と誤解

質問リストをチェックリスト化すると、抜け漏れを確認しやすくなる反面、「全部聞かないといけない」という誤解も生まれやすくなります。

現場でよくある誤解は次のようなものです。

  • 全ての質問に回答欄を埋めることがゴールになってしまう
  • 相手の話を聞かず、質問項目を順番に読み上げてしまう
  • 想定外のテーマが出てきても、リストにないため深掘りしない

チェックリストは、あくまで対話を補助するメモ帳のような位置づけで扱うのがおすすめです。
会話の流れに合わせて質問の順番を変えたり、不要な項目は飛ばしたりする柔軟さを前提に運用します。

ヒアリング質問リストを使いこなす実践テクニック

最後に、作成した質問リストを実際のヒアリングで活用するためのポイントを整理します。
事前準備、面談中の使い方、そしてつまずきやすい場面への対応を押さえておくことで、同じリストでも得られる情報量が大きく変わります。
現場での経験から見えてきたコツを中心に紹介します。

事前準備と関係者整理のポイント

ヒアリングの前には、少なくとも次の三点を確認しておくと、当日の時間を有効に使えます。

  • 目的の仮説
  • 関係者と役割の整理
  • 既に存在する資料の有無

たとえば、「売上管理システムを刷新したい」という相談であれば、事前に売上レポートや既存帳票を共有してもらえるかを確認しておくだけで、当日の質問の深さが変わります。

また、関係者の整理も重要です。
現場では「とりあえず担当者だけ来てもらう」という進め方が行われることがありますが、実際には承認者や隣接部門の意見が後から影響してくることが多くあります。

最初のヒアリングでは、誰がどの立場で関わっているのか、意思決定者は誰かを確認する質問を必ず入れておくと、安全に進めやすくなります。

面談中に質問リストを運用するコツ

面談中に質問リストを使うときは、「見せ方」と「メモの取り方」がポイントになります。

一例として、次のような進め方があります。

  1. 冒頭で「今日聞きたいことの全体像」を簡単に共有する
  2. 画面や紙で質問カテゴリだけを相手に見せる
  3. 会話の流れに合わせて、リストを見ながら質問を選んでいく

会話例を挙げると、次のようなイメージです。

「今日は、この五つのテーマについてお伺いしたいと考えています。
まずはプロジェクトの目的と背景、そのあとに現状の業務の流れをお聞きしてもよろしいでしょうか。」

このようにカテゴリ単位で共有しておくと、相手も「このあと制約条件も聞かれるんだな」と心づもりがしやすくなります。
メモは、質問リストの項目の下に要点を短く書き込む形にしておくと、あとから要件定義書に転記しやすくなります。

つまずきやすい場面と質問の立て直し方

ヒアリングでは、次のような場面で会話が止まりやすくなります。

  • 相手が「うまく言語化できない」と感じているとき
  • 何が分からないか分からない状態になっているとき
  • 部門間で意見が分かれていて、その場で決められないとき

このようなときは、質問の角度を変えることで立て直しやすくなります。

例として、次のような聞き直し方があります。

「言葉にしづらい部分は、最近起きた具体的な出来事を教えていただくと整理しやすくなります。
直近一ヶ月以内で、『これは困った』と感じた出来事はありますか。」

「今すぐに結論を出さなくても大丈夫です。
選択肢として考えられそうなパターンを一緒に洗い出して、社内で検討する材料にしませんか。」

現場では、ヒアリングの場で全てを決め切ろうとして議論が長引き、時間切れになることがよくあります。
決めるべきことと、持ち帰って検討してもよいことを分ける基準をあらかじめ決めておくと、会議が進めやすくなります。

よくある質問

Q:すべてのプロジェクトで同じ質問リストを使ってもよいですか
A:土台として同じリストを使うこと自体は問題ありませんが、業界やシステムの特性ごとに「専用の追加質問」を用意しておくと精度が上がります。

Q:ヒアリングは何回くらい行うのが一般的ですか
A:規模や複雑さによって変わります。
小規模な案件なら1〜2回で足りることもありますが、多くの場合は関係者ごとに数回に分けて行う方が、心理的な負担も少なく情報も集まりやすいです。

Q:質問リストを相手に事前に送るべきでしょうか
A:相手の負担にならない範囲であれば、主要な質問カテゴリだけ事前に共有しておくと、社内で準備してもらいやすくなります。
ただし、細かい質問を長文で送るとプレッシャーになることもあるため、バランスに注意します。

Q:オンライン会議と対面では、質問リストの使い方は変わりますか
A:オンラインでは資料共有やメモがしやすい一方、相手の表情や反応が読み取りにくくなります。
画面共有で質問リストを見せすぎると、相手が「チェックされている」と感じやすいので、必要な場面だけ表示するなど配慮があると安心です。

要件定義のヒアリング質問リストについてのまとめ

・要件定義のヒアリングはプロジェクト成功の土台になる重要工程
・ヒアリングでは目的背景現状制約の四つを整理し全体像を共有する
・質問リストは案件ごとに取捨選択して使い回し負荷を下げていく
・ビジネス目的を聞く質問から会話を始めると方向性のズレが減る
・現状業務と課題を具体例で聞くと要件が言語化されやすくなる
・ステークホルダーと意思決定者を早めに確認して認識差を防ぐ
・機能要件は業務フローを追いながら質問すると抜け漏れが減る
・非機能要件や制約条件もチェック項目として質問し漏れを防ぐ
・時間が限られる場合は優先順位の高い質問から順に使っていく
・相手の理解度に合わせて専門用語をかみ砕き安心感を与えていく
・質問リストは読み上げず対話の流れに合わせ柔軟に差し込んでいく
・答えが曖昧なときは言い換えや選択肢で聞き直し共通理解を作る
・議事録テンプレとセットで運用すると記録と再利用がしやすくなる
・ヒアリング後は質問リストを振り返り改善点をメモして更新する
・質問リストは万能ではなくチームで継続的に育てる前提で扱う

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