明日の大事なオンライン商談を控えているのに、社内で「Zoomがいい」「うちはGoogleカレンダーだからMeetでしょ」「取引先はTeams派らしい」と意見が割れ、どれを基準に選べばいいのかわからず悩んでしまう場面は少なくありません。
Web会議ツールは、一度決めると社内外のコミュニケーション全体に影響します。
なんとなくの印象で決めてしまうと、「録画ができない」「ライセンスが足りない」「ゲストが入れない」といった問題が後から噴き出しがちです。
この記事では、代表的なZoom、Google Meet、Microsoft Teamsの特徴と違いを整理し、自社やチームに合った選び方の考え方をまとめます。
・ZoomとGoogle MeetとTeamsの基本的な違い
・自社に合うWeb会議ツールを選ぶ判断基準
・無料版と有料版を使い分けるときの考え方
・現場で起こりやすいトラブルと防ぎ方
Zoom・Google Meet・Teamsを比較して特徴を整理する
Web会議ツールを選ぶときは、まず主要な候補の特徴を大まかに押さえることが重要です。
ここでは、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsという三つの代表的なサービスを見比べながら、それぞれの得意分野を整理します。
どれか一つが絶対に優れているというより、「どんな場面で使うか」によって向き不向きが分かれると考えると判断しやすくなります。
主要なWeb会議ツール3つの概要
Zoomミーティングは、ビデオ会議を中心にチャットやホワイトボードなどのコラボレーション機能を備えたサービスです。
多人数でのオンライン会議やウェビナーなど、幅広い用途を想定して設計されています。
(出典:Zoom Meetings|https://www.zoom.com/ja/products/virtual-meetings/)
Zoomでは、ミーティングの作成・スケジュール、参加方法、参加者のエンゲージメント機能など、会議運営に必要な機能が体系的に提供されています。
(出典:Zoom Meetings の機能|https://support.zoom.com/hc/ja/category?id=kb_category&kb_category=42927a128720391089a37408dabb3572)
Google Meetは、Google WorkspaceやGoogleカレンダー、Gmailと連携しながら使えるWeb会議ツールです。
ブラウザからワンクリックで参加でき、長時間通話や大人数会議、録画などはプランに応じて利用できます。
(出典:Google Meet プロダクトページ|https://workspace.google.com/intl/ja/products/meet/)
(出典:Google Meet の機能に関する詳細|https://support.google.com/meet/answer/13396001?hl=ja)
Microsoft Teamsは、チャット・ファイル共有・会議を一体で扱えるコラボレーションツールで、会議機能として音声・ビデオ・画面共有を中心に様々な機能が提供されています。
Microsoft 365のアプリやOneDriveと組み合わせて使う前提の企業では、標準ツールになっているケースが多く見られます。
(出典:Microsoft Teamsでの会議|https://support.microsoft.com/ja-jp/office/microsoft-teams%E3%81%A7%E3%81%AE%E4%BC%9A%E8%AD%B0-e0b0ae21-53ee-4462-a50d-ca9b9e217b67)
(出典:Online and Virtual Meeting Software | Microsoft Teams|https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-teams/online-meetings)
現場では、
「社外との打ち合わせはZoom、社内の定例はTeams、簡単な打ち合わせはGoogle Meet」
というように、複数ツールを使い分けている企業も珍しくありません。
比較の結論:それぞれに向く人・向かない人
Zoomが向いているのは、外部商談やウェビナーなど、社外とのコミュニケーションが多く、映像品質や安定性を重視したいチームです。
一方で、社内のちょっとした打ち合わせだけであれば、機能を持て余す場合もあります。
Google Meetが向いているのは、すでにGmailやGoogleカレンダー、Googleドライブを業務で使っており、シンプルに「予定表からすぐ会議したい」チームです。
逆に、Microsoft 365が中心の環境だと、わざわざGoogleアカウントを用意する手間が増える可能性があります。
Teamsが向いているのは、Microsoft 365を標準としていて、チャット・ファイル共有・会議を一体で運用したい組織です。
社外ゲストを頻繁に招く場合は、アカウントや招待の運用ルールをきちんと決めておかないと「入れない」「どのアドレスで招待したか分からない」といった混乱が起きやすくなります。
たとえば、営業マネージャーと情シス担当の会話イメージは次のようになります。
営業マネージャー「新規商談は、相手が慣れているZoomでお願いしたいんだよね?」
情シス担当者「社内の定例はTeamsで統一しているから、社外用はZoomのライセンスを限定的に持つ形にしましょう」
このように、「社内用」「社外用」を切り分けて考えると、ツール選びの方針が見えやすくなります。
機能面の比較(参加人数・録画・画面共有など)
三つのツールはいずれも、ビデオ・音声・画面共有・チャットなど、Web会議に必要な基本機能は共通して備えています。
ZoomではHDビデオと画面共有、ホワイトボード、キャプションなどが提供され、オンライン会議のコラボレーションを支援します。
(出典:Zoom Meetings|https://www.zoom.com/ja/products/virtual-meetings/)
Google Meetでも、画面共有やノイズキャンセル、長時間通話や大規模会議など、プランに応じて豊富な機能が利用できます。
(出典:Google Meet プロダクトページ|https://workspace.google.com/intl/ja/products/meet/)
Microsoft Teamsの会議では、画面共有やライブキャプション、会議の要約やホワイトボードといった機能が利用でき、ハイブリッド会議を想定した機能が充実しています。
(出典:手順 1 – Teams の会議機能について理解する|https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/hybrid-meetings-features)
録画機能については、どのツールも有料プランや特定のエディションで利用できるケースが多くなっています。
Google Meetの場合、録画機能は一部の有料プランでのみ提供され、無料版では利用できません。
(出典:ビデオ会議を録画する – Google Meet ヘルプ|https://support.google.com/meet/answer/9308681?hl=ja)
「録画をどこまで使うか」「チャットログや字幕をどの程度残したいか」は、ツール選定時に必ず確認したいポイントです。
利用シーン別のおすすめパターン
利用シーンごとに、選びやすい組み合わせの一例を挙げます。
- 社外新規商談・ウェビナー
- 映像品質やオプション機能が求められやすく、Zoomを採用する企業が多い傾向があります。
- 社内の定例・1on1・短時間ミーティング
- 既にGoogle Workspaceを使っているならGoogle Meet、Microsoft 365が中心ならTeamsのように、既存のグループウェアと合わせて選ぶと運用がシンプルです。
- 社内研修や録画前提の勉強会
- 録画機能と視聴しやすい保存先(クラウドや社内ポータル)を考え、どのツールだと管理しやすいかを比較します。
現場では、
「社外は先方の希望ツールを優先し、それに合わせて社内側のツールも柔軟に使い分ける」
という運用が行われることも多く見られます。
自社だけで完結させず、「相手は普段どのツールを使っているか」を一度確認してから提案することが、商談をスムーズに進めるコツです。
セキュリティと管理機能の違い
三つのツールはいずれも、アクセス制御やロビー機能、録画データの扱いなどに関して管理者向けの設定が用意されています。
Teamsでは、ライブキャプションや会議の要約、会議記録の共有などが組織全体の情報共有を前提として設計されており、管理者がポリシーを細かく設定できます。
(出典:手順 1 – Teams の会議機能について理解する|https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/hybrid-meetings-features)
Google Meetも、Google Workspaceの一機能として、ドメイン単位のアクセス制御や録画データの保存先(Googleドライブ)などを管理できます。
(出典:Google Meet の機能に関する詳細|https://support.google.com/meet/answer/13396001?hl=ja)
Zoomも、ミーティングパスコードの付与や待機室、録画データの扱いなど、管理者が細かく制御できる機能を提供しています。
(出典:Zoom Meetings の機能|https://support.zoom.com/hc/ja/category?id=kb_category&kb_category=42927a128720391089a37408dabb3572)
セキュリティレベルが高いからといって、自動的に安全になるわけではなく、「どの設定を有効にするか」「誰にどこまで権限を渡すか」が重要です。
特に機密情報を扱う会議では、録画の可否、参加者の入室ルール、チャットログの保管方針などをツールごとに整理しておきましょう。
無料版と有料版の違いのざっくり比較
三つのサービスはいずれも、無料で使えるプランと複数の有料プランが用意されています。
Zoomでは、無料プランと有料プランで、ミーティング時間の上限や管理機能の有無などが変わります。
(出典:Zoom Workplace のプランと料金|https://zoom.us/ja/pricing)
Google Meetは、Googleアカウントがあれば基本的なオンライン会議を利用でき、Google Workspaceの有料プランでは長時間会議や録画など、ビジネス向けの機能が追加されます。
(出典:Google Workspace 料金プラン|https://workspace.google.co.jp/pricing?hl=ja)
Microsoft Teamsも、無料版と有料版があり、無料版ではオンライン会議やチャットを一定時間まで利用できます。
有料版やMicrosoft 365の対象プランでは、会議時間や参加人数の上限、管理機能などが拡張されます。
(出典:Free Online Meetings & Video Calls|https://teams.live.com/free)
無料版で試して感触をつかみ、社内の利用頻度や規模が見えてきた段階で有料プランを検討するのが、現場でよく取られている進め方です。
ただし、無料版は時間や参加人数、録画などに制限があるため、「この会議だけは必ず録画が必要」といった要件がある場合は、早めに有料プランの仕様を確認しておきましょう。
自社・チームに合うWeb会議ツールを選ぶ判断基準
ここからは、実際にツールを選ぶときの考え方を整理します。
大事なのは、「どのツールが人気か」ではなく、「自社の業務のどこで使うか」を起点に考えることです。
同じツールでも、導入企業によって評価がまったく異なるのは、前提条件が違うからです。
ツール選定の評価軸と優先順位
Web会議ツールを比較するとき、次のような評価軸で整理すると考えやすくなります。
- 利用目的
- 社外商談、社内定例、研修、ウェビナーなど、何に一番使うのか。
- 参加人数と頻度
- 1対1が多いのか、10人規模か、100人規模か、毎日なのか月数回なのか。
- 既存の基盤との相性
- Google Workspace中心か、Microsoft 365中心か、どちらも併用しているか。
- セキュリティと管理のしやすさ
- 誰がアカウントを発行し、どこまで権限を持たせるのか。
- コスト
- ライセンス費用だけでなく、サポートやトレーニングなども含めた総コスト。
特に重要なのは、「目的」「人数」「既存システム」の三点で、ここが決まると候補はかなり絞られます。
たとえば、ほぼすべての情報をMicrosoft 365上で運用している企業で、Web会議だけ別サービスにすると、アカウントやファイルの管理が煩雑になるケースがよくあります。
導入・運用コストと既存環境との相性
ライセンス料金だけを見るのではなく、次のような「隠れコスト」も含めて考える必要があります。
- ツールごとのアカウント管理、パスワードリセットの問い合わせ対応
- 新入社員や異動者へのトレーニング時間
- マニュアル作成や運用ルール整備にかかる工数
Google Workspaceの有料プランを既に導入している場合、Google Meetは追加費用なしで多くのプレミアム機能を利用できるプランがあります。
(出典:Google Workspace 料金プラン|https://workspace.google.co.jp/pricing?hl=ja)
Microsoft 365を導入している企業では、Teamsの会議機能がMicrosoft 365の一部として提供されているプランも多く、別途Web会議ツールの費用をかけなくてよいケースがあります。
(出典:Microsoft Teamsでの会議|https://support.microsoft.com/ja-jp/office/microsoft-teams%E3%81%A7%E3%81%AE%E4%BC%9A%E8%AD%B0-e0b0ae21-53ee-4462-a50d-ca9b9e217b67)
現場では、
「せっかくGoogle Workspaceを契約しているのに、Zoomだけ別に契約していた」
「Teamsを導入した後も、古いルールのままZoomライセンスを余分に持ち続けていた」
といった無駄が発生しているケースも見られます。
まずは「既に契約しているサービスに含まれる機能」を棚卸しし、その上で不足分をどのツールで補うか考えることが大切です。
現場で起こりやすいトラブルと誤解
Web会議ツールに関するトラブルの多くは、ツール自体の不具合というより、次のような誤解や運用の問題から生じます。
- 「どのツールでも同じだろう」と思い込み、録画や参加方法の違いを確認していなかった
- 無料版で十分だと判断したが、実際には時間制限や参加人数上限に毎回ひっかかる
- 社外ゲストが入れず、会議開始時間を大幅に過ぎてから設定を見直すことになった
たとえば、次のような会話が起こりがちです。
参加者A「リンクを開いたら、アカウントを作れって出てきたんですけど…」
主催者B「えっ、社外の人はサインイン不要で入れる設定にしたつもりだったんですが…」
このようなトラブルは、ツールごとに「ゲスト参加が許可される条件」「ブラウザで入れるかアプリが必要か」が微妙に違うことが原因になっている場合が多いです。
会議前に社外ゲスト向けの案内メールテンプレートを用意し、
「推奨ブラウザ」「事前にインストールしておくアプリ」「入室できないときの連絡先」
を明記しておくと、現場の混乱をかなり減らせます。
ハイブリッドワーク時代の活用ポイント
オフィスとリモートが混在するハイブリッドワークでは、Web会議ツールの使い方も少し工夫が必要です。
Teamsには、会議の要約やライブキャプション、ホワイトボードなど、会議の前後も含めたコラボレーションを支援する機能があります。
(出典:手順 1 – Teams の会議機能について理解する|https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/hybrid-meetings-features)
ZoomやGoogle Meetも、ブレイクアウトルームやリアクション、画面共有を組み合わせることで、対面とオンラインの参加者が混在する会議でも発言機会を確保しやすくなります。
(出典:Zoom Meetings|https://www.zoom.com/ja/products/virtual-meetings/)
(出典:Google Meet プロダクトページ|https://workspace.google.com/intl/ja/products/meet/)
重要なのは、「会議室の参加者だけが有利にならないようにすること」です。
たとえば、議事録をTeamsやドキュメント上で共同編集しながら進めたり、チャットで質問を受け付けたりすることで、オンライン参加者も同じ情報にアクセスできます。
よくある質問
Q1.社外とはZoom、社内はTeamsのように、ツールを分けても問題ありませんか?
A1.社外と社内でツールを分けること自体はよくある運用で、むしろ目的ごとに整理されていれば問題ありません。
ただし、どの場面でどのツールを使うかを明文化しておかないと、毎回「どれで招待する?」と迷う原因になります。
Q2.無料版だけで運用し続けるのは現実的でしょうか?
A2.会議時間が短く、参加人数も少ない場合は、無料版で十分なケースもあります。
一方で、定例会議や研修、録画が前提の会議が多い場合は、時間制限や機能制限がストレスになることがよくあります。
「月に何回」「何人規模」で会議を行うかを見える化したうえで、有料版への切り替えを検討するのがおすすめです。
Q3.どのツールを選んでもセキュリティは同じでしょうか?
A3.三つのサービスはいずれもビジネス利用を想定したセキュリティ機能を備えていますが、設定次第で安全性は大きく変わります。
録画の扱い、参加者の入室ルール、ゲストの権限など、組織のポリシーに合わせた設定が必須です。
最新の仕様や推奨設定は、それぞれの公式ドキュメントで確認しましょう。
Web会議ツールの比較についてのまとめ
・Web会議ツールは目的と体制に合わせて柔軟に選び直し続ける
・Zoomは外部商談や大規模配信など顧客向け用途に特に強みを持つ
・Google MeetはGoogle連携に優れ社内外の打ち合わせに向く
・TeamsはMicrosoft 365中心企業で社内コラボを一元管理できる
・無料版は時間と人数制限があるため用途と頻度を慎重に絞り込む
・有料版では録画や管理機能が強化され運用負荷と抜け漏れが減る
・比較の評価軸は目的参加人数既存システム運用体制の四点を見る
・セキュリティ要件と管理権限は情報漏えい防止の観点で必ず確認
・社外商談では相手の使い慣れたツール採用がトラブル回避に有効
・社内会議は標準ツールを決めて混在を避け情報共有をスムーズに
・トラブルの多くはネット環境や機器設定が原因で事前チェック必須
・本番前のリハーサルと簡単な運用マニュアル整備が混乱防止に効く
・複数ツール併用時は部門と用途ごとに明確な使い分けルールを決める
・アカウント発行権限と命名ルールを決め棚卸ししやすい状態を保つ
・定期的に仕様変更や新機能を確認し自社の運用ルールをアップデート
・最終的にはメンバー全員が迷わず使え会議に集中できる状態が理想
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