別ファイルの売上表をまとめようとしてIMPORTRANGEを入力したら、セルに#REF!と出て「権限がありません」と表示されて先に進めないことがあります。
締め切りが迫っているのに、どこを直せばいいのか分からず画面の前で固まってしまうこともあるはずです。
この記事では、そうした権限まわりのつまずきを整理しながら、最短でエラーを解消する手順を説明します。
・IMPORTRANGEでよく出る権限エラーの意味と原因が分かる
・必要な共有権限の種類と設定方法のポイントが分かる
・具体的な解消手順と症状別の対処パターンが分かる
・今後権限エラーを起こしにくくする運用上のコツが分かる
スプレッドシートでIMPORTRANGEが権限エラーになる仕組み
IMPORTRANGEの権限エラーは、ほとんどの場合「元シートへのアクセス権」と「シート同士を接続する許可」のどちらか、または両方が不足しているときに起こります。
まずは、この関数がどのように動いているのかと、どの権限がチェックされているのかを整理しておくと、原因を切り分けやすくなります。
IMPORTRANGEの基本的な動きと権限チェック
IMPORTRANGEは、=IMPORTRANGE("元スプレッドシートのURL","シート名!A1:C10") のように書き、別のスプレッドシートから指定範囲のデータを読み込む関数です。
このとき、裏側では「今ログインしているGoogleアカウントが、そのURLのスプレッドシートにアクセスできるか」が確認されています。
初めて特定の組み合わせでIMPORTRANGEを使った場合、セルに#REF!と表示され「このシートを接続する必要があります」などのメッセージが出ることがあります。
これは、関数自体が間違っているのではなく「この元ファイルと先ファイルを接続してよいか」という確認待ちの状態です。
メッセージ横の「アクセスを許可」ボタンを押すと接続が完了し、データが表示されるようになります。(Google ヘルプ)
よく出るエラーメッセージと見分け方
IMPORTRANGEの権限まわりでは、主に次のような表示が出ます。
- セルに
#REF!と表示され、「シートを接続する必要があります」「アクセスを許可」などの案内が出る - 「このスプレッドシートにアクセスする権限がありません」など、アクセス権不足を示すメッセージが出る
- 何度か更新しても読み込み中のままになり、最終的に権限エラーになる
目安として
「接続が必要」「アクセスを許可」といった文言があれば「接続許可」が足りないケース
「権限がありません」「アクセスできません」といった文言なら「共有設定(閲覧権限)」が足りないケース
と考えると切り分けやすくなります。
現場では、最初に出た#REF!を「関数が間違っている」と思い込み、式を消して作り直してしまうケースがよく見られます。
しかし多くの場合、関数そのものではなく権限の問題なので、表示されているメッセージを落ち着いて確認することが近道になります。
どの権限が必要になるのか(閲覧・コメント・編集)
IMPORTRANGEが正常に動くには、次の2種類の権限を意識しておくと整理しやすくなります。
1つ目は、元スプレッドシートに対する権限です。
少なくとも「閲覧できる状態」である必要があり、リンク共有が制限されている場合は、自分のGoogleアカウントが個別に招待されていることが前提になります。(Google ヘルプ)
2つ目は、IMPORTRANGEを書き込む側のシートの編集権限です。
一般的には、そのシートを編集できるユーザーがIMPORTRANGEを入力し、初回の「アクセスを許可」操作を行うことで接続が確立されます。
判断基準としては、
「元シートを自分のアカウントで開けるか」
「IMPORTRANGEを書いたシートで自分がセルの編集を行えるか」
この2点を満たしているかどうかをまず確認するとよいです。
アカウント切り替えや共有設定などの前提確認
最近は、個人用Gmailアカウントと、会社や学校のGoogle Workspaceアカウントを併用している人が多くなっています。
この場合、ブラウザに複数アカウントでログインしていると「開いているシートのアカウント」と「IMPORTRANGEが参照しようとしているアカウント」が食い違い、権限エラーが出ることがあります。
次のような前提条件を満たしているかを確認すると、原因を早く特定しやすくなります。
- 元シートと先シートを、同じGoogleアカウントで開いているか
- 元シートの共有設定で、自分のアカウントに閲覧権限以上が付与されているか
- 組織内のみ閲覧可能な設定(ドメイン制限)になっていないか
実務では、元シートだけ組織内限定にしているのに、別の組織のアカウントからIMPORTRANGEで参照しようとしてエラーになるケースがよくあります。
「どのアカウントで開いているか」「どの範囲まで共有されているか」をセットで確認する癖をつけると、同じトラブルを繰り返しにくくなります。
IMPORTRANGEの権限エラーを解消する具体的な手順
ここからは、実際にエラーを解消するための具体的な手順を見ていきます。
まずは最短で試せる方法を押さえ、その上で前提条件の確認や、症状別の対処を行う流れにするとスムーズです。
最短で権限エラーを解消する結論
最短の結論を一言でまとめると、次の3ステップです。
1つ目に、元シートを自分のアカウントで開けるか確認することです。
開けない場合は、所有者に対して閲覧権限以上の共有を依頼します。
2つ目に、IMPORTRANGEを書いたシートで「アクセスを許可」ボタンを押すことです。
セルに#REF!が出ている場合は、セルをクリックすると許可ボタンが表示されるので、それを押して接続を完了させます。(Google ヘルプ)
3つ目に、それでも解消しない場合は、アカウントの食い違いと共有範囲を見直すことです。
別のブラウザやシークレットウィンドウで、参照元と参照先を同じアカウントで開き直すと解決するケースが多いです。
設定前に確認しておく前提条件
本格的に設定をいじる前に、次の前提条件をチェックしておくと、無駄な試行錯誤を減らせます。
- 自分が使っているGoogleアカウント
- 元シートの所有者と共有範囲
- 元シートを閲覧できるかどうか
- IMPORTRANGEを書いているシートの編集権限
例えば、実務の現場では次のような会話がよくあります。
「IMPORTRANGEがエラーになるんですけど」
「元のシートって、今開けますか?」
「開けません」
この場合、関数の書き方をどれだけ直しても動かず、まずは元シートの共有設定を見直す必要があります。
判断基準としては、「自分のアカウントで元シートを開いて、中身が見えるかどうか」が最初のチェックポイントになります。
IMPORTRANGE権限エラーを解消する手順
ここでは「元シートは開けるが、IMPORTRANGEだけがエラーになる」場合を想定した基本的な手順を紹介します。
- IMPORTRANGEの式をシンプルにする
=IMPORTRANGE("スプレッドシートURL","シート名!A1") のように、まずは1セルだけを参照するシンプルな式にします。
関数を入れ子にしていると、接続許可のメッセージが出にくくなることがあるためです。
- #REF!のセルをクリックしてメッセージを確認する
セルを選択すると、「シートを接続する必要があります」「アクセスを許可」などのメッセージが表示されることがあります。
このメッセージが出ている場合は、まず「アクセスを許可」をクリックします。
- アカウントが正しいか確認する
ブラウザ右上のアイコンから、今操作しているGoogleアカウントを確認します。
元シートを開いているアカウントと、IMPORTRANGEを書いているシートのアカウントが同じになっているかをチェックします。
- 再読み込みして数十秒待つ
「アクセスを許可」を押した直後は、反映までに少し時間がかかることがあります。
スプレッドシートを一度再読み込みし、しばらく待ってからセルの表示が変わるかを確認します。
- それでもエラーの場合は、元シートの共有設定を再確認する
元シートを開き、「共有」ボタンから対象アカウントに閲覧権限が付いているかを確認します。
組織外のアカウントに対しては、組織ポリシー上、共有が制限されていることもあるため、この点も併せて担当者に確認します。
実務では、この一連の手順のうち「2. メッセージを確認してアクセス許可をする」のステップを見落としているケースが特に多いです。
セルを見ただけでは分からないので、#REF!が出たらまずクリックして内容を読む、という運用を徹底するとトラブルが減ります。
症状別のつまずきポイントと対処法
ここでは、よくある症状ごとに、原因と対処法を整理します。
少なくとも2パターンは押さえておくと、ほとんどのケースに対応しやすくなります。
【パターン1:#REF!と「アクセスを許可」が出る】
症状
セルに#REF!と表示され、「シートを接続する必要があります」「アクセスを許可」などのメッセージが出ている。
原因
元シートと先シートの接続許可がまだ行われていません。
関数の書き方が合っていても、初回接続だけは手動で許可が必要です。(Google ヘルプ)
対処
セルをクリックし、メッセージ内の「アクセスを許可」ボタンを押します。
その後、数十秒待ってから、データが表示されるかを確認します。
【パターン2:「権限がありません」と表示される】
症状
#REF!とともに、「このスプレッドシートにアクセスする権限がありません」などのメッセージが表示される。
原因
現在操作しているGoogleアカウントに、元シートの閲覧権限以上が付与されていません。
あるいは、元シートが組織内限定などの制限付き共有になっている可能性があります。
対処
元シートを開き、「共有」ボタンから、自分のアカウントが「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」のいずれかになっているかを確認します。
必要に応じて、シートの所有者や管理者に、組織外アカウントへの共有許可について相談します。
【パターン3:同じアカウントのはずなのに権限エラーになる】
症状
個人用や社内用など複数アカウントを使っており、どちらのアカウントでもファイルを開けるが、IMPORTRANGEだけエラーになる。
原因
ブラウザに複数アカウントでログインしている場合、意図しないアカウントでシートを開いていることがあります。
見た目には気付きにくいため、よくあるつまずきポイントです。
対処
シークレットウィンドウを開き、対象アカウントだけでログインしてから、元シートと先シートを開き直します。
それでも解決しない場合は、元シートの共有設定や組織ポリシーの制限を見直します。
再発を防ぐための権限設定のコツ
一度エラーを解消しても、運用が変わったり、メンバーが増えたりすると、また同じトラブルが起きがちです。
次のようなポイントを意識すると、再発をかなり抑えられます。
- IMPORTRANGEで参照される「元シート」を一覧化しておき、どのファイルからどのファイルにデータが流れているかを分かるようにする
- 新しいメンバーを追加するときは、「元シート」と「先シート」の両方に必要な権限を付ける運用ルールにしておく
- 個人アカウントではなく、チーム用の共有アカウントや共有ドライブを基準にして、そこを起点にIMPORTRANGEを組む
多くの職場では、ファイルごとに共有設定がバラバラになり、どこか1か所でも権限が漏れているとエラーになる状況がよく発生しています。
「元シートの権限」「先シートの権限」「アカウントの組み合わせ」をセットで設計することが、長期的にはトラブルを減らす近道になります。
よくある質問
Q1.閲覧権限だけでもIMPORTRANGEは使えますか。
一般的には、元シートを閲覧できる権限があれば、IMPORTRANGEでデータを読み込めるケースが多いです。
ただし、初回の接続許可を行うユーザーには、先シート側の編集権限が必要になることがあります。
Q2.元シートの一部だけを共有したいのですが可能ですか。
IMPORTRANGE自体には「この範囲だけを見せる」という制限機能はなく、関数を知っている人がいれば、他の範囲も読み込めてしまう可能性があります。
機密性の高いデータがある場合は、そもそも別ファイルに分けるなど、設計段階での分離を検討した方が安全です。
Q3.元シートを後から別の人に所有権移譲したら、IMPORTRANGEはどうなりますか。
URLが変わらない範囲であれば、そのまま動作し続けることが多いです。
ただし、新しい所有者が共有設定を変更すると、閲覧権限が失われて権限エラーになる可能性があるため、移譲後の共有状態は必ず確認した方が安心です。
Q4.組織外の取引先のシートをIMPORTRANGEで参照しても大丈夫ですか。
組織のセキュリティポリシーによって許可される範囲が異なります。
特に業務で扱うデータの場合は、社内の情報システム部門や管理者に、外部シートとの連携可否を確認することが推奨されます。
スプレッドシートのIMPORTRANGEで権限エラーになるときのまとめ
・IMPORTRANGEの権限エラーは元シート権限と接続許可不足が主因
・セルの#REF表示とメッセージ内容から原因の種類を見分ける
・まず自分のアカウントで元シートが開けるかどうかを確認する
・次にIMPORTRANGEを書いたシートでアクセスを許可する操作を行う
・複数アカウント利用時は参照元と先のアカウントが一致しているかを見る
・元シート共有設定の閲覧者コメント可編集者の区別を理解しておく
・組織外アカウントにはポリシー上共有できない場合があると想定する
・症状別に接続待ちか権限不足かを切り分けてから対処する
・関数を入れ子にせず単純なIMPORTRANGEで先に接続を確立する
・元シートと先シートの関係を一覧化して権限設計を一元管理する
・新メンバー追加時は元先両方のシート権限をセットで付与する
・機密データはIMPORTRANGE前提にせずファイル分離などで守る
・シークレットウィンドウなどで検証してアカウント混在を防ぐ
・定期的に共有設定を棚卸して不要な権限を整理しておく
・権限エラー時は焦らずメッセージを読み原因ごとに対処する
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