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GraphQLとは?RESTとの違いと最適な使い分けを徹底解説

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GraphQLとは?RESTとの違いと最適な使い分けを徹底解説

スマホアプリの新機能会議で「APIはRESTで行くのか、GraphQLを試すのか」で議論が長引き、結局どちらにすべきか決めきれずに時間だけが過ぎてしまう場面は珍しくありません。
違いをなんとなく理解していても、自分たちのプロジェクトにどちらが向いているのかを判断するのは意外と難しいものです。
この記事では、GraphQLとRESTの考え方から違い、向くケースと注意点までを整理し、チームで合意しやすい判断軸をまとめます。

この記事でわかること

・GraphQLとRESTの基本的な考え方と特徴の違いがわかる
・データ取得方式やスキーマ設計など具体的な違いが理解できる
・どんなプロジェクトでGraphQLやRESTが向きやすいか判断できる
・導入時に押さえたい注意点とよくある誤解を把握できる

目次

GraphQLとRESTの基本を整理する

まずはGraphQLとRESTがそれぞれどんな前提や思想を持った仕組みなのかを整理します。
名前だけ知っている状態だと、表面的な「新しいか古いか」「流行っているかどうか」で選びがちです。
基本の押さえどころを共有しておくことで、後の比較や判断がぶれにくくなります。

GraphQLの概要と成り立ち

GraphQLは、API向けのクエリ言語と、そのクエリをサーバー側で実行するためのランタイムです。
データの型や関係を定義した強い型付きスキーマを用意し、そのスキーマに対してクライアントが欲しいデータ構造を問い合わせるのが基本的な考え方です(出典:GraphQL公式サイト)。
GraphQL自体は特定のデータベースやストレージとは結び付いておらず、既存のサービスや複数のデータソースの前に「APIの窓口」として置くことができます(出典:GraphQL公式サイト)。

開発の歴史としては、2010年代に大規模なクライアントアプリケーションのデータ取得を柔軟にしたいというニーズから生まれました。
その後、仕様や実装がオープンソースとして公開され、現在では複数の言語でサーバー実装が提供されています(出典:GraphQLの概要)。

例えば、フロントエンドエンジニアが「ユーザー名と、そのユーザーの直近3件の注文だけ欲しい」といった形で、UIに必要な構造をそのままクエリとして書けるのがGraphQLの特徴です。
この「UI視点でほしい形のデータをそのまま要求できる」点が、設計や実装の自由度を高める要素になっています。

REST APIの考え方と特徴

RESTは「Representational State Transfer」というアーキテクチャスタイルで、HTTPを使ったWebシステム全体の設計思想として提案されました。
APIに限定した仕組みではなく、リソース指向、ステートレス、キャッシュ可能といった制約の組み合わせから成るスタイルだと整理されています(出典:RESTアーキテクチャスタイル解説)。

実務でよく見るREST風のAPIでは、
/users」「/orders」といったリソースごとのURLを用意し、
GETPOSTPUTDELETEなどのHTTPメソッドの組み合わせで操作する、という形が一般的です。
クライアントはURLとメソッドを組み合わせてサーバーにアクセスし、JSONなどの形式でレスポンスを受け取ります(出典:RESTとGraphQLの比較ドキュメント)。

現場では、長年使われてきたこともあり、ライブラリやモニタリング、APIゲートウェイなどのエコシステムがとても充実しています。
決済や配送など、外部サービスとの連携APIの多くもRESTが前提になっているため、「外部と同じノリで自分たちのAPIもRESTで作る」という流れが自然に選ばれるケースが多く見られます。

GraphQLとRESTを比べるときの前提

GraphQLとRESTは「どちらが絶対に優れている」という関係ではありません。
RESTはアーキテクチャスタイルであり、GraphQLはAPIのクエリ言語という違うレイヤーの仕組みです。
実際には、HTTPとJSONを使ったREST風APIと、HTTP上で動くGraphQL APIを比較して、どちらが自分たちの要件に合うかを考えることになります。

多くのプロジェクトでは、すでにREST APIが動いているところに新しくGraphQLを導入するかどうか、という検討になります。
このため「全部GraphQLに置き換えるのか」「一部だけGraphQLにするのか」といった現実的な選択肢を意識しながら比較するのが重要です。

例えば、社内システムのように「画面も要件もほとんど変わらない」ケースでは、RESTだけでも十分に回ることがよくあります。
一方、モバイルアプリや複数のフロントエンドから同じデータをさまざまな形で見せたい場合には、GraphQLの柔軟さが効いてくることが多いです。

GraphQLとRESTの違いを比較し向くケースを考える

基本を押さえたところで、具体的にどんな点が違うのかを見ていきます。
ここでは特に、データ取得の柔軟さ、スキーマと型、安全性、パフォーマンスとネットワーク効率、そして開発体験という観点から整理します。
そのうえで、どのような条件ならGraphQLが向き、どのような条件ならRESTのままがよいかを考えるための材料にします。

GraphQLとRESTの違いを一言で言うと(結論)

GraphQLとRESTの違いを一言でまとめると、「データをどう要求し、どう返してもらうかの自由度」と「シンプルさ」のトレードオフです。
GraphQLはクライアントが必要なデータを一度のクエリで柔軟に指定でき、複雑な画面や多様なクライアントがある場合に効率的です(出典:GraphQL学習サイト)。
RESTはエンドポイントごとに返す内容が決まっており、シンプルで理解しやすく、キャッシュやモニタリングなどの仕組みとも相性が良いとされています(出典:GraphQLとRESTの比較記事)。

実務上は、
「画面やクライアントが複雑で、データの取り方も頻繁に変わるならGraphQL寄り」
「要件が安定していて、シンプルなCRUD中心ならREST寄り」
という結論に落ち着くことが多いです。

データ取得方式の違いと柔軟性

GraphQLは、多くの場合単一のエンドポイントに対して、クエリという形で欲しいフィールドを列挙してリクエストします。
クライアントは「ユーザーの名前と、各ユーザーの直近3件の注文の合計金額だけ」など、必要な項目だけを一度に問い合わせることができます(出典:RESTとGraphQLの比較ドキュメント)。

これに対してRESTでは、
/usersでユーザー一覧を取得し、
/users/{id}/ordersで注文一覧を取得するなど、複数エンドポイントを組み合わせてデータを集めるのが一般的です。
その結果、画面によっては「少ししか使わないデータを大量に受け取る」「欲しい情報を集めるためにAPIを何回も呼ぶ」といった状況が起こりやすくなります。

現場でも、モバイルアプリやSPAで「この画面を描画するだけなのに3〜5回APIを叩いている」という声がよく上がります。
GraphQLはこうしたオーバーフェッチとアンダーフェッチの課題を軽減するためのアプローチとして採用されることが多いです(出典:GraphQLデータ取得の説明)。

例えば、次のような会話はよくあります。
開発者「このダッシュボードではユーザー名、チーム名、直近の売上だけ必要です。」
バックエンド担当者「RESTだと3つのエンドポイントを呼ぶ必要がありますが、GraphQLならひとつのクエリでまとめて取れます。」

スキーマ設計と型安全性の違い

GraphQLでは、サーバー側でスキーマと言語レベルの型システムを定義します。
どんな型のデータが取得できるか、どのフィールドが必須かといった情報がスキーマに明示され、クライアントはそのスキーマをもとにクエリを作成します(出典:GraphQLスキーマと型)。

RESTでは、必ずしもスキーマ定義が求められるわけではなく、OpenAPIなどの仕様を別途用意するかどうかはプロジェクト次第です(出典:RESTとGraphQLの比較ドキュメント)。
そのため、型チェックやドキュメント生成の仕組みがどの程度整っているかは、チームやツールに大きく依存します。

判断基準としては、
型安全性を重視し、クライアントサイドでも型定義を自動生成して開発したいならGraphQLが有利です。
一方で、簡単なCRUD APIを少人数で素早く作るだけであれば、RESTとOpenAPIでも十分なケースが多いです。

パフォーマンスとネットワーク効率の違い

パフォーマンスという観点では、「常にGraphQLが速い」とは限りません。
GraphQLは一度のリクエストで多くの情報を取れるため、クライアント側から見ればネットワーク往復回数が減るメリットがあります(出典:GraphQLとRESTの比較記事)。
特に、モバイルアプリや複雑なダッシュボード画面のように、多数の関連データを一気に必要とする場合に効果が出やすいです(出典:GraphQLとRESTの比較ガイド)。

一方、RESTはURLごとに役割が分かれているため、HTTPキャッシュやCDNといった既存の仕組みを活用しやすいという強みがあります。
静的に近いデータや、変更頻度の低いリソースを配信する場合は、RESTのほうがシンプルかつ高速になることも珍しくありません。

経験則としては、
「画面ごとに必要なデータが大きく変わる」「同じデータをいろいろな組み合わせで表示する」といったケースではGraphQLが優位に働く傾向があります。
逆に「数種類のエンドポイントだけを、高速かつ大量にキャッシュしてさばきたい」という要件ではRESTが扱いやすいことが多く見られます。

開発体験と組織構造から見る判断基準

GraphQLは、フロントエンドエンジニアが「自分たちで欲しいデータを定義し、クエリを組み立てて取得する」というスタイルに向いています。
スキーマから型定義を自動生成し、エディタで補完を効かせながら開発できるため、UI側の開発速度が上がるケースが多いです。

一方で、GraphQLサーバー側の実装やスキーマ設計には学習コストがあり、リゾルバのN+1問題や権限管理など、設計次第で複雑になりやすいポイントも存在します。
バックエンドチームに余裕がなく、GraphQLの知識がほとんどない状態で無理に導入すると、かえって開発スピードが落ちることもあります。

判断基準としては、次のような観点が役に立ちます。
フロントエンドチームの人数やスキルが高く、UIの変更が頻繁であるか。
バックエンドチームがGraphQLのベストプラクティスを学び、継続的なスキーマ運用まで見据えられるか。
組織として「フロントエンドが自律的にデータ取得をコントロールする文化」を作りたいか。

現場では、「新規プロダクトでGraphQLを試し、合いそうなら他のサービスにも少しずつ広げる」という段階的導入のパターンがよく見られます。
いきなりすべてのAPIをGraphQLに置き換えるより、チームの成熟度と学習コストを考慮しながら進めるほうが安全です。

GraphQLを採用するときの注意点と実践的な判断

最後に、GraphQLを導入するかどうかを決めるうえでの実践的な判断軸と、ありがちな誤解、既存RESTとの共存パターンを整理します。
「なんとなく新しいから使う」ではなく、状況に応じて選び分けられるようにしておくことが重要です。
また、導入しないという判断も立派な選択肢であることを押さえておきましょう。

GraphQLが向くケースとRESTが向くケース

GraphQLが向きやすいのは、次のような条件が重なっているケースです。
画面やクライアントの種類が多く、それぞれ欲しいデータの形が違う。
モバイルやフロントエンドのパフォーマンスが重要で、API呼び出し回数やレスポンスサイズを丁寧に最適化したい。
UIの変更が頻繁で、バックエンドに毎回新しいエンドポイントを追加するのがつらい。

RESTが向きやすいのは、例えば次のような場合です。
外部公開APIとして、仕様をシンプルに保ちたい。
数種類のリソースを決まった形で返すだけで十分で、取得パターンのバリエーションが少ない。
キャッシュを多用して高トラフィックをさばきたい。

一般的な整理として、RESTはシンプルさとキャッシュ性、GraphQLは柔軟なデータ取得と複雑な関係データに強みがあるとされています(出典:GraphQLとRESTの比較記事)。
プロジェクトの要件、チームのスキル、既存システムとの相性を総合して判断することが大切です。

よくある誤解と注意したい落とし穴

GraphQLについては、いくつか代表的な誤解があります。
例えば「GraphQLを使えば全てのAPIが速くなる」という期待は、状況によっては外れます。
複雑なクエリを1回で処理するために、サーバー側で大量の処理やデータ結合が発生し、結果としてレスポンスが重くなるケースもあるからです。

また、「GraphQLを導入したらRESTは不要になる」という考え方も注意が必要です。
多くの現場では、認証やヘルスチェック、単純な一覧取得などはRESTのまま残し、柔軟性が欲しい部分だけGraphQLにするというハイブリッド構成がよく採用されます。

さらに、スキーマ設計やリゾルバ実装を適当に進めると、
特定のクエリだけ極端に重くなる。
権限チェックが複雑化して抜け漏れが起きる。
といった問題が起きがちです。
GraphQLは柔軟なぶん、設計とモニタリングを丁寧に行うことが重要だと言えます。

既存REST APIと共存させる場合の考え方

既にREST APIが稼働しているプロジェクトでGraphQLを導入する場合、いきなり全面移行するのはリスクが高いです。
実務では、GraphQLサーバーを「統合レイヤー」として立て、既存のRESTや他のサービスを裏で呼び出すパターンが多く見られます。

例えば、次のようなステップで段階的に進める方法があります。
まずはフロントエンド側で課題感の強い画面(ダッシュボードなど)だけ、GraphQLから既存RESTを呼び出す構成にする。
そのうえで、利用状況やパフォーマンスを計測し、メリットが大きい領域から徐々にGraphQLネイティブな実装に置き換えていく。

このときの判断軸としては、
どの画面が最もAPIコール数やレスポンスサイズの問題を抱えているか。
どのバックエンドサービスがGraphQL越しのアクセスに耐えられるか。
チームとしてGraphQLの監視と運用フローを回せるか。
といった点を整理しておくと計画が立てやすくなります。

現場では、「まずは社内用管理画面など、影響範囲が限定されたところでGraphQLを試し、そこでの知見をもとに本番プロダクトに展開する」という進め方がよく選ばれています。

よくある質問

Q1. GraphQLはRESTの完全な上位互換ですか。
A. アーキテクチャスタイルとしてのRESTと、クエリ言語としてのGraphQLは役割が違うため、完全な上位互換というより別の選択肢と考えるほうが自然です。

Q2. 小規模プロジェクトでもGraphQLを使う意味はありますか。
A. 型安全性やスキーマ駆動開発を重視するなら小規模でも恩恵がありますが、学習コストと運用コストが見合うかを事前に検討したほうが良いです。

Q3. 既にRESTで動いているAPIをすべてGraphQLに置き換えるべきですか。
A. 多くの場合、すべてを置き換える必要はありません。
課題の強い部分だけGraphQLでラップする段階的アプローチが現実的です。

Q4. GraphQLはバージョニングが不要と聞きましたが本当ですか。
A. 破壊的変更を避け、フィールド追加などの進化的な変更を行う前提であれば、URLベースのバージョニングは不要な場合があります。
ただし、運用ポリシーや互換性の要件次第で判断する必要があります(出典:GraphQL FAQ)。

GraphQLとRESTの違いと向くケースについてのまとめ

・GraphQLはクライアントが必要なデータ構造を宣言的に要求できる
・RESTはリソースごとのURLとHTTPメソッドで操作するシンプルな仕組み
・GraphQLは一度のクエリで複数リソースを横断して取得しやすい
・RESTはエンドポイントごとに役割が分かれキャッシュとの相性が良い
・GraphQLは強い型付きスキーマで型安全性と自己記述性を高められる
・RESTはOpenAPIなどを併用するかどうかがプロジェクトに依存する
・複雑な画面や多様なクライアントがある場合はGraphQLが有利になりやすい
・安定したCRUD中心のシステムや外部公開APIはRESTが選ばれやすい
・パフォーマンスはケースによって有利不利が変わるため計測が重要
・組織としてフロントエンドの自律性を高めたいときGraphQLが効果的
・GraphQLを導入してもRESTを完全に捨てる必要はなく併用が一般的
・いきなり全面移行するより限定的な画面から段階導入する方が安全
・GraphQLは学習コストや運用コストも踏まえて採用を判断する
・選択の軸は機能要件だけでなくチームのスキルや文化も含めて考える
・最終的にはGraphQLとRESTの強みを理解し状況に応じて使い分ける

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