月末のメルマガ準備中に、MailchimpとBenchmarkとSendGridのどれで配信するか決めきれず、画面の前で手が止まってしまうことはありませんか。
配信目的やチーム体制によって向き不向きが変わるため、なんとなくで決めると後から乗り換えや設定のやり直しが増えてしまいます。
この記事では、3つのツールの違いと選び方の基準を整理し、自社に合った組み合わせ方まで具体的に見ていきます。
・Mailchimp Benchmark SendGridの基本的な違い
・メルマガ配信とトランザクションメールでの使い分け方
・中小企業や少人数チームが見るべき判断基準
・無料プランや料金の考え方と注意点
Mailchimp・Benchmark・SendGridの特徴と違いを整理する
3つのツールは、どれもメール配信に使えるものの、得意分野や想定している利用シーンが少しずつ異なります。
まずはそれぞれの基本的な特徴を把握し、自社の目的に近いのはどれかをイメージしやすくしておきましょう。
3つのツールの基本的な位置づけ
Mailchimpは、メール配信だけでなく、マーケティングオートメーションやCRM、ランディングページなども含むオールインワンのマーケティングプラットフォームとして提供されています。
(出典:Mailchimp Features|https://mailchimp.com/features/) (Mailchimp)
Benchmark Emailは、ドラッグ&ドロップで作成できるメールエディタやリスト管理、レポート機能を備えた、シンプルで使いやすいメールマーケティングツールとして紹介されています。
(出典:Benchmark Email 機能紹介|https://www.benchmarkemail.com/jp/features/) (Benchmark Email)
SendGridは、大量配信にも対応するメールAPIとSMTPサービス、そしてマーケティングキャンペーン機能を持つ、開発者寄りのメール配信基盤として位置づけられています。
(出典:SendGrid Email API|https://sendgrid.com/en-us/solutions/email-api) (SendGrid)
現場では、メルマガやステップメールのようなマーケティング用途にはMailchimpやBenchmark、会員登録メールやパスワードリセットなどシステム連携が必要なメールにはSendGridを採用するケースが多く見られます。
メールの種類ごとの得意分野
メール配信は大きく、メルマガのようなマーケティングメールと、会員登録・注文完了・パスワードリセットなどのトランザクションメールに分けられます。
MailchimpとBenchmarkは、キャンペーン作成画面やテンプレートが豊富で、配信リストのセグメントやABテストなど、マーケティングメールを前提にした機能が中心です。
(出典:Mailchimp Email Marketing Tools|https://mailchimp.com/features/email/) (Mailchimp)
(出典:Benchmark Email 機能紹介|https://www.benchmarkemail.com/jp/features/) (Benchmark Email)
一方、SendGridは、アプリケーションや自社システムからAPI経由でメールを送ることを主用途としており、大量トランザクションメールを安定的に届けるための基盤として使われることが多いです。
(出典:SendGrid|https://sendgrid.com/en-us) (SendGrid)
例えば、次のような組み合わせがよくあります。
「メルマガやキャンペーンメールはMailchimpでデザインして配信する。」
「会員登録通知やパスワードリセットメールはSendGridのAPIから送る。」
このように、用途ごとにツールを分けることで、運用しやすさと技術的な安定性の両方を取りやすくなります。
料金体系と無料プランの考え方
料金体系は、ツール選びでよく迷うポイントです。
ただし、具体的な金額は為替やプラン変更で変動するため、ここでは仕組みの違いに絞って整理します。
Mailchimpは、主に保有するコンタクト数と利用する機能によって料金が変わるプラン構成になっており、Free、Essentials、Standard、Premiumといった複数のマーケティングプランが用意されています。
(出典:About Mailchimp Pricing Plans|https://mailchimp.com/help/about-mailchimp-pricing-plans/) (Mailchimp)
Benchmark Emailは、無料プランと有料プランがあり、配信数や連絡先数に応じた料金テーブルが設定されています。
(出典:Benchmark Email Pricing|https://www.benchmarkemail.com/pricing/) (Benchmark Email)
SendGridは、メールAPIとマーケティングキャンペーンそれぞれにプランがあり、月間配信量と機能に応じて料金が決まる構成です。
(出典:SendGrid Pricing|https://sendgrid.com/en-us/pricing) (SendGrid)
多くの場合、無料プランのみで長期運用しようとすると、配信数の制限や機能制限にすぐぶつかります。
料金だけでなく、将来的にどのくらいのリスト規模や配信頻度になりそうかを想定しておくことが重要です。
日本語対応・サポートの違い
日本国内の担当者が使う場合、日本語画面や日本語サポートの有無は大きな差になりやすいポイントです。
Benchmark Emailは日本語サイトや日本語の機能紹介ページを提供しており、画面表示やヘルプも日本語で利用できる構成になっています。
(出典:Benchmark Email 日本語サイト|https://www.benchmarkemail.com/jp/features/) (Benchmark Email)
MailchimpとSendGridは、基本的に英語が中心のインターフェースですが、日本語を含む多言語でのサポート情報やヘルプ記事が用意されている場合があります。
ただし、日々の運用画面は英語ベースになることが多いため、ツールに慣れていないメンバーが多いチームでは、事前にトライアルで使い勝手を確認しておくと安心です。
現場では、「マーケティング担当は英語が得意ではないのでBenchmarkで運用し、開発チームは英語に慣れているためSendGridの設定を担当する」といった役割分担もよく見られます。
結論:どんな人にどのツールが向いているか
ここまでの特徴を踏まえると、一般的には次のような向き不向きを整理できます。
- Mailchimpが向きやすいケース
メルマガだけでなく、ランディングページや簡易的なCRMも含めて一体的に運用したい、という場合です。
マーケティング全体を一つのプラットフォームでまとめたい企業に合いやすい傾向があります。
(出典:Mailchimp Marketing Platform|https://mailchimp.com/marketing-platform/) (Mailchimp) - Benchmark Emailが向きやすいケース
「とにかく分かりやすく、迷わずメルマガを作って配信したい」という少人数チームや中小企業です。
日本語画面での操作性を重視する場合にも検討しやすいツールです。
(出典:Benchmark Email 機能紹介|https://www.benchmarkemail.com/jp/features/) (Benchmark Email) - SendGridが向きやすいケース
会員登録や通知メールなど、システムから自動で大量メールを送る必要がある場合です。
開発チームがAPI連携を前提に選ぶことが多く、高い配信量にも対応しやすい構成になっています。
(出典:SendGrid Email API|https://sendgrid.com/en-us/solutions/email-api) (SendGrid)
一方で、メール配信の規模が小さく、開発リソースも限られている場合、最初からSendGridのみで完結させようとすると、テンプレート設計やマーケティング運用の面で負荷が大きくなることもあります。
このような場合は、まずはMailchimpやBenchmarkでマーケティングメールを整え、必要に応じてSendGridを組み合わせるという手順も検討できます。
自社に合うメール配信ツールを選ぶ判断基準
3つのツールはどれも実績のあるサービスですが、どれを選ぶべきかは、配信目的とチームの体制によって変わります。
ここからは、具体的な判断軸と、よくあるつまずきポイントを見ていきます。
評価軸1 配信目的とメールの種類を明確にする
最初の判断基準は、「どんな種類のメールを、どのくらいの頻度で送るのか」です。
例えば、次のように分けて考えると整理しやすくなります。
- 週1回のメルマガやキャンペーンメールが中心かどうか
- 会員登録や注文完了など、システム連携メールの比率が高いかどうか
- 将来的にステップメールやスコアリングなど、より高度なマーケティングを行いたいかどうか
メルマガやシンプルなステップメールが中心であれば、MailchimpやBenchmarkだけで十分なことが多いです。
一方、アプリやWebサービスを運営していて、ログイン通知や行動に応じたメールを大量に送る場合は、SendGridのようなAPI連携前提のツールが候補に上がります。
(出典:SendGrid Email API|https://sendgrid.com/en-us/solutions/email-api) (SendGrid)
評価軸2 使いやすさとチーム運用
次に重要なのが、実際に触る人たちのスキルセットと人数です。
マーケティング担当が中心となり、ノーコードでメールを作りたい場合、ドラッグ&ドロップのエディタやテンプレートが充実しているかが重要になります。
MailchimpやBenchmarkは、直感的なエディタやテンプレート、分析レポートを提供しており、マーケターが自分で配信を回しやすい設計になっています。
(出典:Mailchimp Email Marketing Tools|https://mailchimp.com/features/email/) (Mailchimp)
(出典:Benchmark Email 機能紹介|https://www.benchmarkemail.com/jp/features/) (Benchmark Email)
一方、開発チームが主体となってシステムから自動送信する場合、APIのわかりやすさやドキュメントの充実度が重要になります。
SendGridは、開発者向けのドキュメントやライブラリが豊富で、既存システムとの連携を行いやすい構成になっています。
(出典:SendGrid|https://sendgrid.com/en-us) (SendGrid)
現場では、「最初はエンジニアがSendGridで配信を始めたが、メルマガ作成の負荷が高く、途中からマーケターがMailchimpに乗り換えた」というケースもあります。
導入前に、誰が日々の運用を担当するのか、どこまでを自動化したいのかを整理しておくと、ツール選びの迷いが減ります。
評価軸3 到達率と技術的な要件
メール配信では、「送ったはずなのに届いていない」というトラブルが最も避けたいポイントです。
MailchimpやSendGridは、大量配信に対応したインフラや到達率向上のための機能を備え、メールマーケティングプラットフォームとして広く利用されています。
(出典:Mailchimp Email Marketing Platform|https://mailchimp.com/solutions/email-marketing-platform/) (Mailchimp)
(出典:SendGrid Email Marketing|https://sendgrid.com/en-us/solutions/email-marketing) (SendGrid)
ただし、どのツールを使っても、送信ドメイン認証設定やリストの質、配信頻度などによって到達率は変わります。
送信側の設定や運用ルールが整っていないままツールだけを変えても、劇的に状況が改善しないことも多い点には注意が必要です。
技術的な観点では、次のような点を事前に確認すると判断しやすくなります。
- 独自ドメインの送信設定が容易かどうか
- DKIMやSPF、DMARCなどの設定ガイドが用意されているかどうか
- APIやWebhookで取得できるログやレポートの粒度
メリットとデメリットの整理
ここまでの評価軸をもとに、3つのツールのメリットと注意点を簡単に整理します。
Mailchimpの主なメリット
- メール、ランディングページ、簡易CRMなどを一体的に使える
- セグメントや自動化など、マーケティング機能が豊富
- 無料プランを含む複数の料金プランから選べる
Mailchimpの主なデメリットになりやすい点
- 機能が多く、慣れるまで画面構成に戸惑うケースがある
- 英語インターフェースが中心のため、英語への抵抗があるチームではハードルになりやすい
Benchmark Emailの主なメリット
- シンプルな画面でメルマガを素早く作成しやすい
- 日本語サイトと日本語ヘルプがあり、国内チームで導入しやすい
(出典:Benchmark Email 日本語サイト|https://www.benchmarkemail.com/jp/features/) (Benchmark Email)
Benchmark Emailの主なデメリットになりやすい点
- 他のマーケティングチャネルまで一括管理したい場合は、別ツールとの併用が前提になることがある
SendGridの主なメリット
- 大量メールやトランザクションメールを安定して配信しやすい
- APIやSMTP連携が前提で、既存システムと組み込みやすい
(出典:SendGrid Email API|https://sendgrid.com/en-us/solutions/email-api) (SendGrid)
SendGridの主なデメリットになりやすい点
- メルマガのクリエイティブ制作は、他ツールに比べて工夫が必要な場合がある
- 導入と運用にエンジニアの関与が欠かせない
「どのツールも万能」という前提ではなく、目的に合わせて組み合わせると考えると、選択肢を狭めすぎずに検討できます。
注意点とよくある誤解
メール配信ツール選びで、特に誤解されやすい点と注意点をまとめます。
1つ目は、「ツールを変えれば到達率の悩みがすぐ解決する」という期待です。
実際には、リストの品質やオプトインの取り方、配信頻度など、運用面の要素が到達率に大きく影響します。
ツールはあくまで基盤であり、運用ルールを見直さないと十分な効果が出ないことが多いです。
2つ目は、「無料プランだけで長期運用できる」と見込んでしまうことです。
無料枠は試してみるには便利ですが、配信数や機能制限があるため、成長とともに有料プランへの切り替えを前提に計画しておいた方が、途中の切り替えで慌てずに済みます。
3つ目は、「1つのツールですべてをまかなうべき」という思い込みです。
メルマガはMailchimpやBenchmark、システム通知はSendGridというように、用途ごとにツールを分けた方が、結果的に運用しやすくなることもあります。
よくある質問
Q1 メルマガだけならどのツールが分かりやすいですか。
少人数のチームで、シンプルにメルマガを作成して配信したい場合は、Benchmarkのように画面が分かりやすいツールが候補になりやすいです。
ただし、将来的に他チャネルのマーケティングもまとめて管理したいなら、Mailchimpのようなオールインワンプラットフォームも検討できます。
Q2 会員登録やパスワードリセットなどの通知メールにはどれが向いていますか。
システムから自動的に大量のメールを送る場合は、SendGridのようなメールAPIサービスが一般的に選ばれています。
既存システムとの連携方法や、開発チームの経験値も含めて検討するとよいです。
Q3 最初から複数ツールを導入すると複雑になりませんか。
最初は1ツールから始めて、課題が見えた段階で追加する方法もあります。
例えば、「まずはBenchmarkでメルマガ配信を整え、その後にSendGridを追加してトランザクションメールを切り出す」といった段階的な導入もよく行われています。
Q4 将来ツールを乗り換えるときに困らないためのポイントはありますか。
配信リストや配信履歴のエクスポート方法を事前に確認しておくと、将来の乗り換えがスムーズになります。
また、独自ドメインの送信設定やオプトインの取得方法をツール依存にし過ぎないことも大切です。
メール配信ツール比較のポイントについてのまとめ
・Mailchimpはメール以外も扱える統合マーケティング基盤として設計されている
・Benchmarkは日本語対応のシンプルなメルマガツールとして少人数チームに向きやすい
・SendGridはAPI連携による大量トランザクションメールに強い配信基盤として使われやすい
・配信したいメールがメルマガか通知かを最初に切り分けるとツール選びが整理しやすい
・日々の運用担当がマーケター中心かエンジニア中心かで最適なツールは変わる
・到達率はツールだけでなく認証設定やリスト品質など運用面にも大きく依存する
・無料プランは試用には便利だが長期運用では配信数や機能制限に注意が必要になる
・一つのツールですべてをまかなうより用途ごとに役割分担する発想も有効である
・Mailchimpはメルマガと自動化や簡易CRMをまとめて扱いたい場合に検討しやすい
・Benchmarkは日本語画面で迷わずにメール作成と配信を進めたい場合に向きやすい
・SendGridは会員登録やパスワードリセットなどシステム連携メールに一般的に選ばれている
・料金は金額よりもコンタクト数や配信量に応じた課金の仕組みを理解して比較することが重要である
・導入前に独自ドメイン設定やログ取得方法など技術的要件を確認しておくと後悔しにくい
・将来的な乗り換えやツール追加を見越してデータのエクスポート方法を把握しておくと安心である
・自社の目的とチーム体制に合わせて三つのツールを組み合わせる前提で比較すると判断しやすい
・Web会議ツールはどれがいい?ZoomかMeetかTeamsか徹底比較
・AirtableとNotionとSmartsheetの比較|ノーコードDBの違いと選び方
・HubSpot・Salesforce・Zohoをどう選ぶ?CRMツール比較と判断ポイント
・freee・マネーフォワード・弥生|会計ソフトの違いと選び方
・美容室や飲食店などの店舗で予約システムを比較して選ぶポイント
・失敗しないタスク管理ツールの選び方完全チェックリスト
・Google Drive・Dropbox・Boxを比較して選ぶ法人向けストレージの考え方
・SlackとTeamsを比較して自社に合うチャットツールを選ぶ方法
・プロジェクト管理ツールを比較しておすすめのツールを選ぶポイント
