MENU
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

ARRとは?MRRとの違いと使い分けを整理

当ページのリンクには広告が含まれています。
ARRとは?MRRとの違いと使い分けを整理

月次レポートでARRとMRRが並んでいて違いが分からず数字の意味に自信を持てないまま経営会議に出ている
こうした状況はサブスクリプション型ビジネスの現場でよくあります。
どちらも「継続課金の売上」を表す指標ですが、見ている時間の長さや使う場面が異なります。
この記事では、ARRとMRRの基本から違い、現場での使い分けの考え方までを整理します。

この記事でわかること

・ARRとMRRの基本的な意味と計算イメージ
・ARRとMRRの違い(時間軸と用途の違い)
・どのようなビジネスでどちらを重視するかの判断基準
・現場で起こりがちな誤解と数字を見るときの注意点

目次

ARRとMRRの基本を整理する

ARRとMRRはどちらもサブスクリプションビジネスの健康状態を測る重要な指標です。
まずは意味や計算の考え方をそろえておくと、後の違いも理解しやすくなります。
ここでは定義と簡単な計算例を押さえておきます。

結論:ARRとMRRの要点3つ

ARRとMRRはどちらも「予測しやすい継続収益」を表す指標です。
ARRは一年単位で、MRRは一か月単位で継続収益を見ます。
一般的には、ARRは長期的な成長や投資家向けの説明に、MRRは月次の運営状況や短期的な変化の把握に使われます。

ARRの意味と特徴

ARRはAnnual Recurring Revenueの略で、日本語では「年間経常収益」などと訳されます。
一年間にわたって繰り返し発生が見込まれる売上だけを取り出し、年間ベースにそろえて把握する指標です。
サブスクリプション契約や継続課金の金額を一年分に換算したもので、単発の導入費やスポット案件の売上は通常含めません。
継続的に入ってくる金額が分かるため、長期の投資計画や採用計画など、腰を据えた意思決定に向いています。
ARRはサブスクリプション型ビジネスの長期的な成長や予測可能性を測る主要指標として、多くのSaaSや決済プラットフォームで説明されています。
例えば決済プラットフォームでは、ARRを「一定期間に発生する継続収益を一年単位に換算したもの」として解説しています。
(出典:Stripe公式ガイド) (Stripe)

MRRの意味と特徴

MRRはMonthly Recurring Revenueの略で、「月間経常収益」といった表現がよく使われます。
毎月、継続的に発生が見込まれる売上だけを取り出し、月単位で把握する指標です。
サブスクリプションの月額料金や、年額料金を月額に割り戻した金額などを合計して計算します。
一回きりの初期費用やスポットのコンサル費用などは、一般的にはMRRから除外します。
MRRは短期的な増減に敏感で、解約やアップグレードなどの変化を毎月追いやすいのが特徴です。
多くのサブスクリプションビジネス向けサービスでは、MRRを「顧客から毎月見込める予測可能な継続収益」として説明しています。
(出典:Stripe公式ガイド) (Stripe)

ARRとMRRの計算式と簡単な例

シンプルな考え方として、安定した状態であればARR ≒ MRR × 12という関係になります。
例えば、ある月のMRRが100万円なら、年間ベースに換算したARRはおおよそ1,200万円というイメージです。
実務向けの解説でも、ARRはMRRに12を掛けた値として扱うケースが多く見られます。
(出典:Stripeサポートドキュメント) (Stripe サポート)

例えば、月額1万円のプランに100社が加入しているSaaSを考えます。
この場合のMRRは1万円×100社で100万円、ARRは100万円×12か月で1,200万円というイメージです。

一方で、年額12万円を一括で受け取る年額プランだけのサービスでも考え方は同じです。
この場合、1社あたりのMRRは12万円÷12か月で1万円、ARRは12万円となり、契約数を掛け合わせて全体のMRRやARRを算出します。
サブスクリプション管理サービスなどのドキュメントでも、年額を月額に正規化してMRRを計算する考え方が紹介されています。
(出典:Chargebeeドキュメント) (Chargebee)

ARRとMRRがよく使われるシーン

現場では、ARRとMRRは次のように使い分けられることが多いです。
ARRは投資家向け資料や中期経営計画、採用計画など、数年先を見据えた議論で参照されることが多い指標です。
MRRは月次の営業会議やマーケティングの施策レビューなど、短期の変化を追いかける場面でよく使われます。

例えば、営業マネージャーとマーケティングマネージャーの会話は次のようになります。
「今月のMRR増加はプラス50万円でしたが、ARRベースでは年間で600万円増えるイメージですね。」
「そうですね、このペースが続けば来期のARR目標にも届きそうなので、解約率を抑える施策も合わせて検討しましょう。」

実務では、ARRだけ、またはMRRだけしか見ないと短期と長期のどちらかの視点が欠けやすくなります。
多くの企業では、経営レベルではARR、現場レベルではMRRというように、両方の数字を組み合わせてモニタリングしています。

ARRとMRRの違いと使い分けの考え方

ARRとMRRは数字の中身は似ていますが、時間軸や用途が異なります。
どちらを重視するかは、ビジネスモデルや契約期間、意思決定の目的によって変わります。
ここでは、判断基準と実務での使い分け、注意点を整理します。

ARRとMRRをどう使い分けるかの判断基準

ARRとMRRの使い分けを考えるときの判断基準は、主に次の三つです。
一つ目は契約期間の長さです。
年単位や複数年の契約が多い場合はARRの方が実態に合いやすく、月ごとの変動が小さいため、長期の安定性を示しやすくなります。

二つ目は意思決定の時間軸です。
新規採用や大型投資など数年単位で回収を考える意思決定ではARRを、キャンペーンの効果測定や広告費の調整など短期の打ち手にはMRRを使うと、数字が判断にフィットしやすくなります。

三つ目はステークホルダーが知りたい視点です。
投資家や金融機関は長期の安定性を重視するためARRを好む傾向があります。
一方で営業やカスタマーサクセスは、今月・来月の数字の動きが知りたいのでMRRの方が役立つケースが多いです。

現場では、この三つの観点を踏まえて「この会議の目的は何か」「誰に説明する数字か」を確認すると、どちらを中心に見るべきか判断しやすくなります。

ARRが向いているビジネス・タイミング

ARRが特に役立つのは、契約期間が1年以上のサブスクリプションやBtoBの長期契約が中心のビジネスです。
このようなビジネスでは、年単位で売上が読めること自体が大きな強みになるため、ARRが投資家説明や企業価値評価の議論でよく使われます。

例えば、三年契約が中心のエンタープライズ向けSaaSでは、個々の月のMRR変動よりも、全体のARRがどれだけ積み上がっているかの方が重要視されることが多いです。
実務でも「ARRが○億円を超えたので、来期からは新しいプロダクトラインに投資できる」というような会話が行われがちです。

また、予算や人員計画を組むときにも、ARRがある程度安定していれば、翌年度の固定費をどこまで増やせるかの判断材料になります。
このように、ARRは長期の安定感やスケール感を示す指標として向いていると言えます。

MRRが向いているビジネス・タイミング

MRRが力を発揮するのは、月次の契約が多く、短期間で顧客数や単価が変動しやすいビジネスです。
スタートアップ初期や中小規模のSaaS、オンラインサービスなどでは、毎月の新規・解約・アップセルの動きを細かく追う必要があります。

例えば、ある月に新規契約でプラス30万円、解約でマイナス10万円、アップセルでプラス5万円のMRR変化があれば、純増はプラス25万円です。
このような細かな増減を追うことで、「価格改定は効果があったか」「オンボーディング施策で解約は減ったか」といった短期的な問いに答えやすくなります。

現場では、「今月のMRR純増が3か月連続でプラスになったので、広告費を少し増やそう」といった判断がよく行われます。
MRRは施策の打ち手と結果を結びつけて検証しやすい指標として機能します。

ARRとMRRを両方見るときの注意点と誤解

ARRとMRRはどちらか一方が優れているというものではなく、時間軸の違うレンズと考えると理解しやすくなります。
ただし、両方を扱うと次のような誤解や落とし穴が生じやすくなります。

一つ目は、「ARRが伸びているから大丈夫」と短期の悪化を見落とすことです。
ARRは年単位の数字なので、最近数か月の解約増加がすぐには見えにくい場合があります。
MRRで直近のトレンドをチェックし、ARRと組み合わせて判断することが大切です。

二つ目は、一時的なキャンペーンでMRRが増えたのをそのままARRに反映してしまうことです。
短期割引や一時的な値引きで増えたMRRをすぐに12倍してARRとみなすと、実態より大きな数字になってしまうことがあります。
キャンペーン終了後も継続する見込みがあるかどうかを考慮して、必要に応じて調整することが重要です。

三つ目は、年額契約をMRRに正しく換算していないケースです。
例えば、年額12万円の契約をMRR12万円として扱ってしまうと、月次の売上を過大に認識することになります。
年額は12で割って月額換算するなど、正規化のルールをチーム内でそろえておくことが必要です。

サブスクリプション向けの会計・分析ツールの多くは、ARRとMRRの定義を明確に分けて説明しており、それに合わせてルールを決めると混乱を避けやすくなります。
(出典:Oracle NetSuiteオンラインヘルプ) (Oracle Docs)

現場でありがちなつまずきと失敗パターン

実務では、ARRとMRRの定義は分かっていても、運用上のルールがあいまいなために混乱が起きることがあります。
ここではよく見られるつまずきのパターンをいくつか挙げます。

よくあるのが、解約の反映タイミングです。
契約更新月の前月に解約通知が来た場合、「いつARRやMRRから外すか」が部署によって解釈が分かれてしまうことがあります。
このようなケースでは、「契約終了日に外す」あるいは「解約通知の翌月から外す」など、会社として明確なルールを定めることが重要です。

また、無料トライアルやキャンペーン価格の扱いもつまずきポイントです。
トライアル期間中の顧客をMRRに含めるかどうか、キャンペーン終了後の価格に基づいて算出するかどうかなどを決めておかないと、部門ごとに違うMRRが報告されるといった事態になりがちです。

例えば、営業チームと経理チームの会話がすれ違うケースがあります。
「営業では将来のフルプライスをもとにARRを見込んでいます。」
「経理では現在の割引価格でMRRを計上しているので、数字が合いません。」
このようなずれは、指標の定義だけでなく、算出ルールや例外の扱いまで含めて共有することで防ぐことができます。

よくある質問

Q1.ARRと通常の売上高は同じ数字になりますか。
いいえ、一般的には同じになりません。
ARRは継続的なサブスクリプションや契約からの収益だけを対象にし、単発の導入費やスポット案件などは除外するためです。

Q2.小さなサービスでもARRを見る意味はありますか。
あります。
規模の小さいサービスでも、継続収益だけを切り出してARRとして追うことで、事業の「土台」の大きさや安定性を把握しやすくなります。

Q3.スタートアップ初期はARRとMRRどちらを重視すべきですか。
一般的には、スタートアップ初期はMRRを重視し、月次の変化を細かく追うことが多いです。
そのうえで、MRRがある程度安定してきた段階からARRを併せて見ると、長期的な成長も判断しやすくなります。

Q4.年の途中で大きな値上げをした場合、ARRの計算はどう考えればよいですか。
多くの場合、値上げ前後の契約を分けて計算し、それぞれの期間に応じてARRに反映させます。
一律に新価格で一年分を計上してしまうと、実態より大きく見積もってしまう可能性があります。

ARRとMRRの違いと使い分けについてのまとめ

・ARRは年間の継続収益を表し長期的な安定性を見る指標
・MRRは月間の継続収益を表し短期的な変化を把握する指標
・一般的にARRは投資家説明や中長期計画で重視されやすい
・MRRは営業やマーケの現場で施策の効果検証に使われやすい
・ARR≒MRR×12だが一時的なキャンペーンを単純換算しない
・年額契約は月額へ正規化するなど算出ルールを統一する
・契約期間やビジネスモデルに応じて見るべき指標は変わる
・会議の目的や時間軸に合わせてどの指標を重視するか決める
・解約や値上げの反映タイミングを事前にルール化しておく
・無料トライアルや割引プランの扱いも定義を共有しておく
・ARRだけを見ると足元の解約増加に気づきにくい点に注意する
・MRRだけを見ると長期の安定性やスケール感を把握しづらい
・ARRとMRRをセットで見ることで全体像と足元の両方を把握できる
・社内で用語と計算方法をそろえることが混乱防止の第一歩になる
・自社の意思決定に役立つ形で指標を設計し運用し続けることが重要

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次