freeeにするかマネーフォワードか弥生か決めきれず、比較表を見つめたまま時間だけが過ぎていくことはないでしょうか。
会計ソフトは一度導入すると数年単位で使い続けることが多く、途中で乗り換えるとデータ移行や社内教育の負担もかかります。
だからこそ、最初の一歩で「自社に合うかどうか」の見通しを持っておくことが大切です。
この記事では、freee会計、マネーフォワード クラウド会計、弥生の会計ソフトを、中小企業と個人事業主の視点から比較します。
機能の優劣を決めつけるのではなく、事業規模や体制、税理士との連携など、状況ごとにどう選び分けるかを整理していきます。
ここで扱う内容は一般的な情報であり、最終的な判断は税理士や公認会計士などの専門家、ならびに各社公式情報を確認したうえで行ってください。
・freee・マネーフォワード・弥生の特徴と違い
・事業規模や体制ごとの会計ソフトの選び方
・料金や機能を比較する際の評価ポイント
・乗り換え時に失敗しないための注意点
中小企業・個人事業主の会計ソフトを比較する前に知っておきたいこと
会計ソフトを比較するとき、いきなり機能一覧を見比べてしまうと、どれも同じに見えて決め手を失いがちです。
まずは「クラウドかインストール型か」「誰がどこから入力するのか」といった前提を整理しておくと、自社に合う候補がかなり絞り込めます。
また、税理士や会計事務所がどのソフトに慣れているかも、実務では重要な判断材料になります。
クラウド会計ソフトとインストール型の違い
会計ソフトは大きく、ブラウザやアプリから使うクラウド型と、PCにインストールして使うタイプに分かれます。
freee会計やマネーフォワード クラウド会計、弥生会計 Next などは、クラウド会計ソフトとして提供されています(出典:クラウド会計ソフトfreee会計|https://www.freee.co.jp/accounting/)(出典:マネーフォワード クラウド会計|https://biz.moneyforward.com/accounting/)(出典:弥生会計|https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/) (スモールビジネスを世界の主役に フリー株式会社)
一方で弥生会計には、従来型のデスクトップソフトも用意されており、インターネット環境に左右されにくい運用も可能です(出典:弥生会計26の紹介ページ|https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/) (弥生株式会社)
クラウド型は、複数人が同時にアクセスしやすく、銀行やクレジットカードとの自動連携機能を活用しやすいのが特徴です。
一方、インストール型は、社内の特定PCだけで完結させたい場合や、ネットワーク制限が厳しい環境で使いたい場合に向いていることが多いです。
自社のセキュリティポリシーや働き方に合う形態かどうかが、最初の大きな判断基準になります。
たとえば、リモートワーク中心のITベンチャーなら、経理担当や社長が自宅やカフェから数字を確認できるクラウド型が便利です。
逆に、工場内の閉じたネットワークで運用したい会社では、インストール型を選ぶケースも少なくありません。
会計ソフトを選ぶときの基本的な判断基準
会計ソフトの比較でよく挙がる基準は、次のようなものです。
- 誰が入力するのか(経理担当か、社長か、外注か)
- 何人で同時に使うのか(1人か、複数拠点か)
- 銀行・クレジットカードとの自動連携がどの程度必要か
- 請求書作成や給与計算など、会計以外もまとめたいか
- 税理士や会計事務所がどのソフトに対応しているか
「誰が、どの画面から、どの頻度で触るのか」を具体的にイメージしてから比較すると、必要な機能と不要な機能がはっきりします。
中小企業の現場では、社長自身が日々の取引を入力し、決算だけ税理士に依頼するパターンが多く、その場合は操作画面のわかりやすさが最優先になることがよくあります。
freee・マネーフォワード・弥生を比較する際の前提条件
freee会計は、請求・支払業務から会計帳簿・決算書の作成、経営管理までをカバーする統合型のクラウド会計ソフトとして案内されています(出典:クラウド会計ソフトfreee会計|https://www.freee.co.jp/accounting/) (スモールビジネスを世界の主役に フリー株式会社)
マネーフォワード クラウド会計は、バックオフィス全体をカバーする「マネーフォワード クラウド」の一部として提供されており、会計だけでなく人事労務や電子契約などとも連携できる構成です(出典:マネーフォワード クラウドのサービス紹介|https://biz.moneyforward.com/) (バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」)
弥生は、クラウド版とデスクトップ版の両方をラインナップし、個人事業主向けの「やよいの青色申告 オンライン」など確定申告専用のサービスも提供しています(出典:やよいの青色申告 オンライン|https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/)(出典:弥生の確定申告ソフト|https://www.yayoi-kk.co.jp/products/kakuteishinkoku/) (弥生株式会社)
このように、3社とも「会計」だけでなく周辺業務まで含めたサービス構成になっていることが多いため、単純な機能数ではなく、自社がどこまでを1つのサービスで完結させたいかを考えることが重要です。
例えば、「請求書や給与計算もまとめて1つのサービスで管理したい」のか、「会計だけソフトを入れて、請求や給与は別ツールで良いのか」で、向いている選択肢が変わってきます。
よくある誤解や検討時の注意点
会計ソフト選びでよくある誤解の一つは、「一番有名なソフトを選べば間違いない」という考え方です。
実際には、事業内容や従業員数、既存の業務フローによって、使いやすいソフトは変わります。
たとえば、仕訳の概念にあまり触れたくない個人事業主と、複数拠点で部門別管理をしたい法人では、同じソフトでも評価が大きく変わります。
もう一つ多いのが、「とりあえず一番安いプランで始める」という決め方です。
安いプランを選んだ結果、仕訳の承認機能や部門別管理が使えず、結局すぐ上位プランに切り替えた、という話も現場ではよく聞かれます。
料金だけでなく、必要な機能が含まれているか、将来の拡張性があるかをセットで確認することが大切です。
税制や電子帳簿保存法、インボイス制度などの要件は、今後も変更される可能性があります。
こうした制度対応は、最終的には税理士や所轄の税務署、ならびに各ソフトの公式情報で確認し、自社の状況に合わせて判断してください。
freee・マネーフォワード・弥生の会計ソフトを比較しながら選ぶ
ここからは、freee、マネーフォワード クラウド、弥生の会計ソフトを、「どんな人に向いているか」という視点で整理します。
機能の優劣を決めつけるのではなく、評価軸と注意点を明確にしながら、自社に合う候補を見つけることを目指します。
結論:freee・マネーフォワード・弥生が向く人・向かない人
まず、大まかな方向性として、次のように整理できます。
- freee会計
- 向く人:クラウド中心でバックオフィス全体を効率化したいスタートアップや小規模法人、ITリテラシーが高めの個人事業主
- 向かない可能性がある人:従来型の帳簿画面に慣れきっており、仕訳入力画面の形式を変えたくない人
- マネーフォワード クラウド会計
- 向く人:銀行や給与ソフト、請求書サービスなど多くのサービスと連携させ、データを集約したい中小企業
- 向かない可能性がある人:会計だけをシンプルに使えればよく、他のクラウドサービスとの連携をあまり想定していない人
- 弥生の会計ソフト(弥生会計、やよいの青色申告 オンラインなど)
- 向く人:伝統的な帳簿形式に慣れた事業者や、弥生に詳しい税理士と長く付き合っている会社
- 向かない可能性がある人:スマホだけで完結させたい、社内のあちこちから同時編集したいといったニーズが強い人
中小企業の現場では、「税理士が使い慣れているから弥生を選んだ」「社長がスマホで振込や残高を見たいのでfreeeにした」「バックオフィス全体をまとめたいのでマネーフォワードにした」といった決め方がよく見られます。
自社単独の使いやすさだけでなく、税理士や他部門との連携まで含めた相性を見ておくと、後悔が少なくなります。
比較の評価軸と優先順位
3つのソフトを比較する際、次のような評価軸で整理すると判断しやすくなります。
- 操作性・画面のわかりやすさ
- 自動連携(銀行・カード・請求書サービスなど)の範囲
- 税務申告や法制度への対応状況
- サポート体制(チャット・電話・FAQなど)
- 料金プランとユーザー数、機能のバランス
freee会計は、請求や支払、経費精算などを含め一気通貫で管理できる画面設計になっており、経理経験が浅い人でも業務フローで覚えていきやすい構成です(出典:クラウド会計ソフトfreee会計|https://www.freee.co.jp/accounting/) (スモールビジネスを世界の主役に フリー株式会社)
マネーフォワード クラウド会計は、「マネーフォワード クラウド」の他サービスと組み合わせることで、会計・経理、人事労務、電子契約などバックオフィス全体を一元管理しやすい構造になっています(出典:マネーフォワード クラウドのサービス紹介|https://biz.moneyforward.com/) (バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」)
弥生は、会計ソフトや確定申告ソフトのほか、請求書サービスや証憑管理サービスと連携させることで、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応を支援しています(出典:やよいの青色申告 オンライン|https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/) (弥生株式会社)
自社で最も重視したい軸を上位2つに絞り、その2つで比較したときにどれが合うかを考えると、迷いにくくなります。
たとえば、「とにかく自動連携で手入力を減らしたい」のであればfreeeやマネーフォワードが候補になりますし、「税理士と同じ画面で話を進めたい」のであれば、税理士の推奨ソフトを優先するという考え方もあります。
料金プランとランニングコストの比較
3社とも、無料で試せる期間や、複数の料金プランが用意されています。
freee会計には個人事業主向けの料金プランがあり、青色申告・白色申告に対応したプラン構成が提示されています(出典:freee会計 個人事業主向け料金プラン|https://www.freee.co.jp/accounting/individual/pricing/) (スモールビジネスを世界の主役に フリー株式会社)
マネーフォワード クラウド会計も、初期費用がかからず一定期間無料で試せることが案内されており、事業規模に応じたプランが用意されています(出典:マネーフォワード クラウド会計|https://biz.moneyforward.com/accounting/) (バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」)
やよいの青色申告 オンラインは、1年間無料で使える料金プランが提供されていると案内されています(出典:やよいの青色申告 オンライン 料金プラン|https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/price/) (弥生株式会社)
ただし、料金プランや無料期間、機能の範囲は変更される可能性があるため、最新の情報は必ず公式サイトの料金ページで確認する必要があります。
また、「月額はいくらか」だけでなく、ユーザー数制限や使いたい機能が上位プランにしかないかどうかもチェックポイントです。
具体例として、従業員5名のデザイン事務所A社を考えてみます。
A社は銀行明細の自動取得と、請求書の発行、簡単な部門別管理がしたいとします。
この場合、銀行連携と請求書機能が同じサービス内にあるか、部門別の集計がどのプランから使えるかを比較すると、無駄なコストをかけずに最適な組み合わせを選びやすくなります。
機能・操作性・サポートのメリットとデメリット
機能や操作性、サポート体制には、それぞれ次のような傾向があります。
- freee会計
- メリット:業務フローに沿った画面設計で、経理未経験者でも操作を覚えやすい構成になっていることが多い
- デメリットになりやすい点:従来の仕訳入力画面に慣れた人にとっては、独自の画面構成が最初はとっつきにくく感じられる場合がある
- マネーフォワード クラウド会計
- メリット:銀行・クレジットカードなどとの連携に強く、他のマネーフォワード クラウド製品と合わせるとバックオフィス全体を統合しやすい
- デメリットになりやすい点:機能が豊富な分、どのサービスをどこまで利用するか設計しないと、設定画面が複雑に感じられることがある
- 弥生の会計ソフト
- メリット:従来からの帳簿形式に近い画面で、経理経験者や税理士にとって馴染みやすいことが多い
- デメリットになりやすい点:クラウド版とデスクトップ版があるため、自社にどちらが合うか検討しないまま導入すると、のちに運用を見直す必要が出てくることがある
サポートについては、3社とも公式のサポートサイトやFAQ、問い合わせ窓口を用意しています(出典:マネーフォワード クラウド会計 サポートページ|https://biz.moneyforward.com/support/account)(出典:やよいの青色申告 オンライン サポート情報|https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/) (バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」)
電話やチャットの有無、対応時間、マニュアルの分かりやすさは会社ごとに特徴があるため、無料期間中に一度問い合わせをしてみて、自社が使いやすいかどうか確かめておくと安心です。
「困ったときにすぐ聞けるかどうか」は、特に初年度の運用で大きな安心材料になります。
実務では、申告直前になって設定の不明点が出てくることも多いため、サポート窓口の混雑状況や、FAQの充実度もチェックポイントになります。
乗り換え・連携・将来性の注意点
既に別の会計ソフトを使っている場合、乗り換え時のデータ移行も重要なテーマです。
多くの会計ソフトでは、他社ソフトやCSVからのインポート機能が用意されていますが、どの期間まで、どの粒度でデータを移行できるかはサービスごとに異なります。
また、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応状況も、長期的な運用を考えるうえで重要です。
やよいの青色申告 オンラインでは、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が案内されており、確定申告に必要な帳簿作成やe-Tax連携のサポート機能が紹介されています(出典:やよいの青色申告 オンライン|https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/) (弥生株式会社)
freee会計やマネーフォワード クラウド会計でも、インボイスや電子帳簿保存法への対応機能が順次提供されており、クラウドサービスとしてアップデートが行われる構成になっています(詳細は各社公式サイトの案内を参照してください) (スモールビジネスを世界の主役に フリー株式会社)
乗り換え時には、「いつの期から新しいソフトに切り替えるか」と「過去データをどこまで持っていくか」を、税理士と事前にすり合わせておくことが重要です。
例えば、期首から新ソフトに切り替え、前期分は旧ソフトのまま閲覧専用にしておく、といった運用が現場ではよく採用されています。
会話例として、次のようなやりとりがよくあります。
社長「銀行明細の自動取得を使いたいのですが、どのタイミングでソフトを変えるのが良いでしょうか。」
税理士「期の途中で変えると集計が複雑になるので、次の期首からfreeeかマネーフォワードに切り替え、過去分は弥生で保管しておく方法が現実的です。」
制度対応やデータ保存期間については、最終的に税理士や所轄の税務署、ならびに各ソフトの公式情報に基づいて判断し、自社のリスク許容度に応じて方針を決めてください。
freee・マネーフォワード・弥生の会計ソフト比較でよくある質問
Q1.どのソフトが一番「楽」ですか。
A.どれも自動連携や仕訳の自動提案機能を備えており、「最も楽」と言い切ることは難しいです。
自社の取引パターンや入力する人のスキルで評価が変わるため、無料期間で実際に数日分の取引を入力してみて、「自分にとって楽かどうか」を確認するのがおすすめです。
Q2.税理士が弥生を勧めますが、freeeやマネーフォワードはやめた方が良いですか。
A.税理士が使い慣れたソフトを勧めるのは、サポートしやすい、エラーを見つけやすいなど合理的な理由があることが多いです。
ただし、自社の業務フローにどうしても合わない場合は、税理士と相談しながら、別ソフトでもサポートしてもらえるか確認してみる価値があります。
Q3.途中でソフトを変えると、税務署に何か届出が必要ですか。
A.一般的には、会計ソフトの変更そのものについて税務署への届出が必要になるケースは多くありませんが、電子帳簿保存法の承認や、制度上の要件に関わる設定を変える場合は注意が必要です。
具体的な取扱いは税務署や税理士に相談し、自社の状況に合わせて確認してください。
Q4.個人事業主でも法人向けのソフトを使った方が良いですか。
A.将来的に法人化を見据えている場合は、初めから法人向けのプランを検討する選択肢もあります。
ただし、個人事業主向けのプランの方が画面が簡単で、確定申告に必要な書類作成に特化していることも多いため、現時点での負担と将来の見通しを比較しながら決めると良いでしょう。
freee・マネーフォワード・弥生の会計ソフト比較のまとめ
・会計ソフトはクラウド型とインストール型に大別されることが多い
・誰がどこから入力するかを決めてから候補を絞り込むと選びやすい
・freee会計はバックオフィス全体を一気通貫で管理したい事業者に向きやすい
・マネーフォワード クラウド会計は他サービスとの連携を重視する企業向きになりやすい
・弥生の会計ソフトは従来型の帳簿形式や税理士との相性を重視する場合に選ばれやすい
・操作性や自動連携など評価軸を二つに絞ると比較の迷いが減る
・料金は金額だけでなくユーザー数制限や機能の範囲も合わせて確認する
・無料期間中に実際の取引を入力し使い勝手とサポートを試すことが効果的
・データ移行の範囲やタイミングは税理士と事前にすり合わせておくと安心
・インボイス制度や電子帳簿保存法の対応状況は必ず公式情報で最新を確認する
・税理士が推奨するソフトと自社の使いやすさを両方考慮して選ぶと後悔が少ない
・途中での乗り換えは期首から行う方法が実務では選ばれやすい
・個人事業主は将来の法人化を見据えつつ現時点の負担とのバランスでプランを選ぶ
・どのソフトも万能ではないため自社の優先順位を明確にすることが重要
・最終判断は専門家と公式情報を基に自社の状況に合わせて行う
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