広告やLPの数字は見ているのにCVRが低い理由が分からず上司にうまく説明できずに困っていませんか。
CVRはマーケティングの成果を判断するうえで欠かせない指標ですが意味や計算方法をあいまいなまま運用しているケースも少なくありません。
この記事ではCVRの基本概念から実務での計算方法判断基準改善の考え方までを一つずつ整理していきます。
・CVRの基本的な意味と関連指標との違い
・CVRの計算式と実務でよく使う母数の考え方
・CVRを評価するときの判断基準と注意点
・CVRを改善するための基本施策と進め方の全体像
CVRの意味と計算方法を整理する
まずはCVRがどのような指標なのかを整理し意味と計算方法を押さえます。
ここがあいまいなままだと「CVRが良い悪い」の議論が噛み合わなくなりプロジェクトが迷走しがちです。
関連する指標との違いも一緒に確認しておくと混乱を減らせます。
結論:CVR理解の要点3つ
CVRについて押さえておきたい要点は次の3つです。
1つ目はCVRは「ある母数に対してどれだけ成果が出たかの割合」を示す指標だという点です。
母数にはセッション数ユーザー数広告クリック数などが使われますが基本的な考え方は共通です。
2つ目は何をコンバージョン(CV)とみなすかは事業目的によって変わるという点です。
ECなら購入BtoBなら資料請求や問い合わせなど目的ごとに定義が異なります。(KAIZEN PLATFORM)
3つ目はCVRの「良し悪し」は単独では決まらず売上や広告費CPAなど他指標とのバランスで判断する必要があるという点です。
CVRだけを上げようとして広告配信を絞りすぎると全体の売上が下がるケースもあります。
CVRの基本的な意味と関連用語
CVRは「Conversion Rate(コンバージョンレート)」の略で一般的にはWebサイトやアプリの訪問者のうち設定した成果に到達した割合を表します。(KAIZEN PLATFORM)
成果には商品購入資料請求会員登録問い合わせ無料トライアル申し込みなどさまざまな行動が含まれます。
同じ「率」の指標としてクリック率(CTR)がありますがCTRは表示回数に対するクリックの割合を示しCVRは「クリックや訪問などの母数に対する成果の割合」を示す点が異なります。(Google ヘルプ)
CTRは集客段階CVRは成約段階の指標とイメージすると整理しやすくなります。
実務では「サイトCVR」「LP CVR」「広告CVR」「フォームCVR」といった言い方をすることが多くそれぞれ母数やコンバージョンの定義が少しずつ違います。
たとえば広告CVRは「広告クリック数に対するコンバージョン数」サイトCVRは「サイト訪問数(セッション数やユーザー数)に対するコンバージョン数」を指すといった具合です。
CVRの計算方法と具体例
CVRの基本的な計算式は次の通りです。
CVR(%)=コンバージョン数 ÷ 母数 × 100
母数として何を使うかは目的によって変わりますが考え方は同じです。
広告の世界では「コンバージョン数 ÷ 広告インタラクション数(クリック数など)」として定義されることが多くこの定義は広告プラットフォームのヘルプでも示されています。(Google ヘルプ)
具体例を2つ挙げます。
例1
月間1万セッションのサイトで資料請求が100件発生した場合
CVR = 100 ÷ 10,000 × 100 = 1%
例2
広告のクリックが1,000回ありそのうち50件が購入につながった場合
CVR = 50 ÷ 1,000 × 100 = 5%
このようにどの母数を使っているかを明確にしたうえでCVRを比較することが重要です。
母数が違うCVR同士を並べて議論すると誤った結論にたどり着きやすくなります。
CVRを解釈するときの判断基準
CVRを評価するときは次のような観点で判断するのが一般的です。
1つは同じ条件の中での推移を見ることです。
過去の自社データと比べてCVRが上がっているのか下がっているのかを見ると改善の方向性が見えやすくなります。
2つ目はセグメントごとの差を見ることです。
デバイス別流入チャネル別キャンペーン別などでCVRを比較すると特定の条件だけ極端に低いといったボトルネックを発見しやすくなります。
3つ目は収益性とのバランスを見ることです。
単価が高い商品ほどCVRが低くなることは珍しくないためCVRだけでなく一件あたりの利益やLTVを合わせて判断する必要があります。
多くの現場では「CVRは悪くないのに利益が出ない」「CVRは低いが利益が出ている」といったケースがありCVRだけを追いかけると意思決定を誤ることがあると認識されています。
CVRが低い・高いを判断する際の注意点
CVRに「この数値以上なら良い」といった絶対的な基準はありません。
業界商材単価集客方法コンバージョンの定義などによって適切な水準は大きく変わるためです。(リコー)
たとえば単価が非常に高いBtoB商材ではCVRが1%未満でも十分な成果となる場合があります。
逆に単価が低いECサイトではCVRが数%でも採算が合わないこともあります。
また計測ツールによっても「ユーザー単位のCVR」「セッション単位のCVR」など定義が異なることがあります。(MeasureSchool)
どのツールでどの定義のCVRを見ているのかをチーム内で共有しておくことが誤解を防ぐうえで重要です。
実務では「他社事例のCVR3%を目標にしよう」といった会話が起きがちですが母数や計測条件が違うとそのままの比較はできません。
必ず自社のビジネスモデルと計測環境を踏まえて目標値を設定する必要があります。
CVRを改善する基本と実践のポイント
ここからはCVRを改善していくための基本的な考え方を整理します。
CVRは単に「数字を上げる」だけでなくビジネス全体の利益や継続率とセットで見ることが大切です。
全体像を押さえたうえでボトルネックに優先順位を付けて改善していきましょう。
CVR改善の基本的な考え方
CVR改善の基本は**「どのステップで離脱しているかを特定しそこに仮説を立てて検証する」こと**です。
広告表示クリックLP閲覧フォーム入力完了といった流れを分解し各ステップのCVRを出していくと課題がはっきりしてきます。
たとえば広告のクリック率は高いのにLPからフォームへの遷移率が低い場合はLPの訴求や導線がボトルネックになっている可能性が高いと考えられます。
逆にLPのスクロール率は悪くないのにフォーム完了率だけが低い場合はフォームの項目数や分かりづらいエラー表示が原因になっていることが多いというのが実務でよく見られる傾向です。
CVR改善は一度の大きな施策で劇的に変わることもありますが多くの場合は「小さな改善の積み重ね」でじわじわと底上げされます。
地道な検証を継続できる仕組み作りが重要です。
ボトルネックを見つけるためのデータの見方
CVR改善の第一歩はボトルネックとなっているステップを見つけることです。
そのために有効なデータの見方をいくつか挙げます。
1つ目はステップごとのCVRを並べて比較することです。
広告→LP→フォーム→完了の各ステップでCVRを出し一般的な水準と比べて極端に低い箇所を探します。
2つ目はセグメント別にCVRを見ることです。
新規ユーザーとリピーターデバイス別(日モバイル)流入チャネル別などに分けると特定の条件だけ大きく落ちているポイントが見えてきます。
3つ目は変化のタイミングを見ることです。
デザインの変更キャンペーンの開始ターゲティング条件の変更など施策の実施前後でCVRがどう変化したかを見ると施策の影響度を推定しやすくなります。
たとえば新しいキャンペーンを開始した途端に全体CVRが下がった場合実際には「新キャンペーンの流入はCVRが低いが既存キャンペーンのCVRは維持されている」といったケースがよくあります。
このように全体平均ではなく内訳を分解して見ることが判断の精度を高めるポイントです。
代表的な改善施策(導線・訴求・フォーム)
CVR改善でよく検討される施策は大きく次の3領域に分けられます。
1つ目は導線・レイアウトの改善です。
重要なCTAボタンが埋もれていないかファーストビューで価値が伝わっているか迷いなく次のアクションに進めるかを確認します。
たとえば商品詳細ページに「カートに入れる」ボタンが画面下部にしかない場合ファーストビューにも配置するだけでCVRが上がることがあります。
2つ目は訴求メッセージの改善です。
ターゲットの課題が明確に言語化されているかベネフィットが具体的か他社との違いが分かるかといった観点で見直します。
「誰の」「どんな悩みを」「どう解決するのか」を一文で説明できるかどうかが判断基準になります。
3つ目はフォームの改善です。
入力項目が多すぎないか必須項目が適切かエラー表示が分かりやすいかスマホで入力しやすいかなどをチェックします。
多くの現場ではフォーム改善だけでCVRが数十%単位で改善するケースも珍しくありません。
これらの施策は一度にすべて行うのではなくインパクトと工数のバランスを見て優先順位を付けることが重要です。
スマホや広告経由など条件別で変わるポイント
CVRはユーザーの状況や流入経路によって大きく変わります。
次のような条件差を意識しておくと解釈を誤りにくくなります。
スマホとPCでは画面サイズや入力しやすさが異なるためフォームCVRに差が出やすい傾向があります。
スマホユーザーが多いサービスでは特にスマホでの表示速度や入力しやすさを優先して改善することが効果的です。
広告経由と自然検索経由ではユーザーの温度感が異なります。
指名キーワード経由はもともと検討度合いが高いためCVRが高くなりがちですが一般キーワードやディスプレイ広告経由は比較的低めになることが多いです。(break-marketing-program.jp)
また新規ユーザー向けのキャンペーンを強化した直後は「流入は増えたがCVRは一時的に下がる」といった現象も起こり得ます。
この場合は短期的なCVRの低下だけを見て判断せず新規ユーザーのLTVやリピート率を含めて評価する必要があります。
CVR改善でよくある誤解とやりがちな失敗
CVR改善では次のような誤解や失敗が起こりやすく注意が必要です。
1つ目はCVRだけを目標にしてしまうことです。
CVRを上げるために広告配信を「反応の良い一部のユーザーだけ」に絞りすぎると獲得量が減り売上や利益が落ちるケースがあります。
2つ目は全体CVRしか見ていないことです。
例えば「CVRが下がった」と騒いでいたものの内訳を見たら新キャンペーンだけが低く既存の顧客セグメントではむしろ改善していたといったことがよくあります。
ステップ別セグメント別でCVRを見る習慣をつけることが失敗を防ぐポイントです。
3つ目は一度のテスト結果だけで判断してしまうことです。
たまたまキャンペーン期間中の外部要因でCVRが上下することもあるため可能であれば複数期間で検証し統計的に意味のある差かどうかを確認することが推奨されます。
実務では「デザインを変えたらたまたま繁忙期と重なってCVRが上がり施策の効果と勘違いしてしまった」といったケースも見られます。
外部要因も含めて冷静に解釈することが大切です。
CVRに関するよくある質問
Q1:CVRの「平均値」はどのくらいを目安にすればよいですか。
業界商材単価集客方法によって大きく異なるため一律の平均値を目標にするのは現実的ではありません。
まずは自社の現状数値を把握し過去推移や同じ条件での比較をベースに目標を設定するのが一般的です。
Q2:CVRが高ければ広告は成功していると言えますか。
CVRが高いことはポジティブな要素ですが広告費や利益LTVなどとのバランスを見て判断する必要があります。
CVRが高くても広告費がかかりすぎて利益が出ていないケースもあり得ます。
Q3:CVRを改善するにはデザインとテキストどちらを優先すべきですか。
どちらが優先かは課題によって変わります。
ファーストビューで価値が伝わっていない場合は訴求テキストフォーム離脱が多い場合は入力のしやすさなどユーザー行動データと照らし合わせてボトルネックに近い要素から改善するのが合理的です。
Q4:GAや広告管理画面などツールごとにCVRが違うのはなぜですか。
計測のタイミングや母数の定義コンバージョンの設定がツールごとに異なることが主な要因です。
どのツールのどの指標を基準に意思決定するかをあらかじめ決めておくと混乱を防げます。
CVRの意味と計算方法、改善の基本についてのまとめ
・CVRは成果に至った割合を示す指標
・CVRの計算式はCV数÷母数×100で表す
・母数は広告クリック数や訪問数など目的別
・何をCVとするかは事業やサイトの目的次第
・CVRを見るときは売上やCPAも合わせて確認
・全体CVRだけでなくステップごとのCVRを把握
・デバイスや流入元ごとのCVR差もチェックする
・CVRの目標値は業界や単価によって異なってくる
・改善は見込み度の高いボトルネックから着手する
・導線の分かりやすさや訴求の一貫性を整える
・フォームの項目数やエラー表示もCVRに影響する
・ABテストで仮説を検証しながら改善を進める
・短期指標だけでなくLTVや継続率も意識して評価
・CVRが下がったときは流入の質の変化も疑う
・CVRの意味と計算式を押さえ継続的に改善する
