WebサイトのURLで「http://」と「https://」の違いを意識したことはありますか。
なんとなく「httpsの方が安全そう」と感じていても、なぜ安全なのか、何が違うのかを説明できる人は意外と多くありません。
しかし、この違いを理解しておくと、サイトの信頼性を判断したり、社内システムやWeb施策の話についていきやすくなります。
この記事では、ITやネットワークが苦手な社会人の方に向けて、HTTPとHTTPSの違いを仕組みと安全性の観点からやさしく解説します。
専門知識がなくても理解できるよう、身近な例を使って整理していきます。
基礎理解・前提の整理
HTTPとHTTPSの違いを正しく理解するためには、まず「そもそも何のための仕組みなのか」を押さえることが大切です。
いきなり安全性の話だけを見ると難しく感じますが、通信の基本を知ると違いが自然と見えてきます。
この章では、最初に結論を示したうえで、HTTPとは何か、HTTPSとは何か、そして両者の共通点を順番に解説します。
ここを理解しておくことで、後半の比較や使い分けがスムーズになります。
結論:HTTPとHTTPSの違いを一言で説明すると
一言でいうと、HTTPは暗号化なしの通信で、HTTPSは暗号化ありの通信です。
どちらもWebサイトを見るときに使われる「通信のルール」ですが、情報を守れるかどうかが大きく違います。
HTTPは、送った内容がそのままの形でやり取りされやすいのに対し、HTTPSは内容を読めない形にして送ります。
身近な例でいうと、HTTPは「ハガキ」に近いです。
宛先に届くまでに、途中で見ようと思えば内容を読めてしまいます。
HTTPSは「封筒に入れた手紙」のイメージです。
封がされているので、途中で盗み見されにくく、改ざんもされにくくなります。
今のWebでは、基本的にHTTPSが標準になっています。
ただ、なぜそうなったのかを理解すると、仕事でも判断しやすくなります。
HTTPとは?初心者向けに噛み砕いて説明
HTTPは「HyperText Transfer Protocol」の略で、ざっくり言うとWebページをやり取りするための決まりごとです。
あなたがブラウザでURLを開いたとき、裏側では「このページをください」とお願いし、サーバーが「はい、どうぞ」と返しています。
このやり取りのルールがHTTPです。
重要なのは、HTTP自体には暗号化の仕組みが標準で入っていないことです。
そのため、通信の途中で内容を見られたり、改ざんされたりするリスクがあります。
もちろん、常に盗み見されるわけではありません。
ただし、公共Wi-Fiや社内ネットワークなど「経路に第三者が入りやすい環境」では危険が高まります。
会社の例でいうと、HTTPは「誰でも見える共有フォルダに資料を置く」ような感覚です。
便利ですが、アクセスできる人が増えるほど、情報が漏れるリスクも上がります。
個人情報やログイン情報を扱うなら、HTTPのままでは不安が残ります。
HTTPSとは?HTTPとの関係もあわせて解説
HTTPSは「HTTP Secure」の略で、HTTPに暗号化の仕組みを足したものです。
見た目としては、URLが「https://」で始まり、ブラウザに鍵マークが表示されることが多いです。
HTTPSでは、通信内容が暗号化されます。
つまり途中で盗み見されても、内容が読めない形になっています。
さらに、暗号化だけでなく、次の2つも重要です。
- 相手が本物のサイトか確認できる
- 途中で内容が改ざんされていないか確認できる
この「本物確認」は、ざっくり言うと身分証チェックのようなものです。
たとえば会社の受付で社員証を確認するように、Webサイトも証明書で「本物です」と示します。
HTTPとHTTPSの関係は、同じ通信ルールをベースにしつつ、HTTPSの方が安全対策が追加されている、というイメージで問題ありません。
HTTPとHTTPSの共通点は何か?
HTTPとHTTPSは違いが目立ちますが、共通点もあります。
どちらもWebブラウザとWebサーバーが情報をやり取りするためのルールである点は同じです。
つまり、どちらもWebサイトの表示や、フォーム送信などの土台になっています。
また、どちらも「リクエスト」と「レスポンス」という形で通信します。
ブラウザが「これください」とお願いし、サーバーが「これ返します」と答えます。
この基本構造はHTTPでもHTTPSでも変わりません。
共通点を押さえておくと、違いは「安全性の追加」に集中して理解できます。
HTTPは「素の通信」。
HTTPSは「素の通信に、暗号化と本人確認などを追加した通信」。
この整理をしておくと、用語が出てきても混乱しにくくなります。
違いの整理・比較・使い分け
基礎が分かったら、次は「実際にどこが違うのか」「どんな場面で意識すべきか」を整理していきます。
初心者がつまずきやすいのは、用語の意味よりも「なぜHTTPSが推奨されるのか」という判断の部分です。
この章では、HTTPとHTTPSの違いを比較しながら、具体的な利用シーンやよくある勘違いもあわせて紹介します。
読み終えたときに、仕事や日常で迷わず判断できる状態を目指します。
HTTPとHTTPSの違いを比較して整理
違いを分かりやすく整理すると、ポイントは暗号化と信頼性です。
比較表で見るとスッキリします。
| 項目 | HTTP | HTTPS |
|---|---|---|
| 暗号化 | なし | あり |
| 盗み見リスク | 高い | 低い |
| 改ざん対策 | 弱い | 強い |
| 本物確認 | できない | できる(証明書) |
| URLの見た目 | http:// | https:// |
もう少し噛み砕くと、HTTPは「内容が見える状態で運ぶ」通信です。
HTTPSは「内容を読めない状態で運び、相手が本物かも確認する」通信です。
ビジネス面でも違いがあります。
HTTPSでないサイトは、ブラウザで「保護されていない通信」と表示されることがあります。
これだけでユーザーが不安になり、離脱につながるケースもあります。
そのため、今は安全性だけでなく、信用の面でもHTTPSが前提になっています。
具体的な利用シーンで見るHTTPとHTTPSの使い分け
結論から言うと、今の一般的なWeb利用ではほぼHTTPS一択です。
特に次のような場面では、HTTPSが必須だと考えてください。
- ログインがあるサイト
- お問い合わせフォーム
- ECサイトの決済
- 会員登録など個人情報を入力する画面
- 社内システムでの重要データのやり取り
理由はシンプルで、盗み見や改ざんが起きたときのダメージが大きいからです。
ではHTTPは不要かというと、ケースによっては残っています。
たとえば「公開しても問題ない情報だけを配る」「古いシステムの都合で移行できていない」などです。
ただし、今から新しく作るサイトやシステムでHTTPを選ぶ理由はほぼありません。
身近な例だと、社内で回す資料でも、社外秘ならパスワード付きの共有やアクセス制限をしますよね。
Webも同じで、重要情報を扱うならHTTPSで守るのが基本です。
初心者がよくするHTTPとHTTPSの勘違い
HTTPとHTTPSでよくある勘違いをまとめます。
1つ目は、HTTPSなら100%安全と思うことです。
HTTPSは通信経路を守りますが、偽サイト自体が存在することはあります。
つまり、URLや運営元の確認は引き続き大事です。
2つ目は、HTTPSは表示が遅くなるというイメージです。
昔は暗号化で負荷が増えましたが、今は技術が進み、体感で大きく遅くなるケースは多くありません。
むしろHTTPS前提の最適化も増えています。
3つ目は、鍵マークがあれば全部信用できるという考えです。
鍵マークは「通信が暗号化されている」ことを示します。
サイトの中身が安全、という意味ではありません。
たとえば怪しい通販サイトでもHTTPSは使えます。
つまり、HTTPSは「最低限の安全な通り道」を作るものです。
その上で、サイト自体の信頼性は別で判断する必要があります。
まとめ:HTTPとHTTPSの違いと使い分けの要点
最後に要点をまとめます。
- HTTPは暗号化なしの通信です。
- HTTPSは暗号化ありの通信で、盗み見や改ざんに強いです。
- 共通点は、どちらもWebの通信ルールで、基本のやり取りは同じです。
- 使い分けは、基本はHTTPSで、特に個人情報やログインがある場合は必須です。
迷ったら、入力フォームやログインがあるならHTTPSと覚えてください。
今のWebでは「HTTPSが標準」であり、ユーザーの安心や信頼にも直結します。
HTTPとHTTPSの違いを理解しておくと、サイト運営や社内システムの話でも判断がしやすくなります。
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